2006年6月

とぴっくす

6月8日

勇猛なるジャレグ読了.
暗殺者ヴラド・タルトシュシリーズ1冊目.こりゃおもしれぇぞ.
ハヤカワFTは,ベルガラスとポルガラはさておき,このところまっとうな 別世界ものファンタジー出してなかったから余計にうれしい感じ.

地区の元締めみたいなことをやってる主人公のヴラドがややこしい トラブルに巻き込まれて,ひーこらいいながら解決する話.
殺し屋でもあるくせに,結構臆病だったりするあたりが可笑しい.

全体にユーモアが漂いながらも,重厚感のあるストーリーが実にいい. やはりファンタジーは翻訳物に限るね.

6月10日

地元に狼と香辛料の2が入らないので,佐世保までおでかけ.
予定どおり,福家書店にて確保の後,アーケード散策中に いつの間にかできていたくまざわ書店を発見.
そういや前回きたとき見つけてたっけ.

すごく広い,というほどでもないが,そこらのへぼ書店とは比較にならないほど ちゃんとしたとこを押さえてあるいい棚が作ってある.
コンピュータ系の専門書もそこそこあるようで,以降ぼちぼち利用していきたい.
ただ閉店時刻が19:30というのは少々厳しいぞ.

6月14日

ヴラド・タルトシュ2巻目,策謀のイェンディ読了.
これまた面白い.
前作より前のエピソードにあたり,余所のシマとの抗争から帝国の根幹に関わる 謎にまで発展して,さあ大変という話.
奥さんとの馴れ初めがとんでもなくて笑える.

6月22日

ブライアン・ラムレイの'地を穿つ魔'読了.
デモベの大十字九朗の由来であるところの,タイタス・クロウ・サーガである.

一読してまず,これホラーじゃねえよ!
よもやここまでただの生き物扱いしてるとは思わなかった.
原書が出た70年代で,すでにこういう話があるとは.
しかし今となっては,さほど珍しくなくなっているため,あまり新鮮みを 感じられないのが残念である.
これは20年ぐらい前に読んでおかないといけなかったなあ.

6月25日

ロビン・ホブのファーシーアの一族1・騎士の息子,読了.
これまたまともな異世界もの.
ただ,主人公がほんとに子供で,王国を揺るがしてる事件そのものには 傍観者という立場でしか関わっていないあたりが,独特か.
目新しさこそ乏しいものの,芯がしっかりしてるんで 女性が書いてるのにフェミ臭がなく,男衆ばっかりなのもよし.

近場に東京創元社のがそれなりにそろってる本屋が出来たんで気づいたが, ここのFTラインナップは,ずいぶんよくなってるな.
ちょっと前まであまりぱっとしなかったのに,この手のがぼちぼちでてるじゃないか.
現状のハヤカワFTよりずっといいかもしれん.
ファファード&グレイマウザー復刊させたあたりぐらいからか?
昔のように,きっちり出してきてくれるとうれしいのう.

続けて銀盤カレイドスコープ7巻読了.
えろーす.
でもリアはたぶんそんなこと考えてないぞ.
あ,ベッドのアレのことじゃなくてね?

6月27日

友桐夏'白い花の舞い散る時間'読了.
なんちゃってミステリかと思ったら,なかなかどうして侮れない.
チャット仲間ではあるが直接面識はない4人の少女が,自分が誰と名乗らないまま とある別荘に集まり,5日間を過ごすというだけの話なのだが, さて誰が誰なのか.ホントは来るはずだった5人目はどこへ.

美しくて,かつどこかどろりとした情念も感じさせる,この空気感が大変よろしい.
いわゆる百合もの扱いされることもあるようだが,そりゃ違うだろうという気も.

6月28日

友桐夏'春待ちの姫君たち'読了.
叙述トリックだぜへいへへい.

どろり成分増量中.
繊細だったり,潔癖だったり,実にいい.