設計報酬を考える

 
 

●行き詰まる経済システム、その中で現在の貨幣制度のあり方が問われています。責任の所在、能力は別としまして、学歴や資格や職種によってはたして報酬に大きな差があっていいものか、疑問を感じています。そうした中で生業としての設計報酬を考えてみました。

●見方によってはそれでも高いと思われる方もおられるでしょう。一方では、ダンピングだと思われる方もおられるでしょうが、自分の仕事が、社会的な責任の範囲内で、今、どれだけの円貨価値があるのかを問うためにも、報酬のあり方を具体的に提示してみました。

 
     
 

 設計事務所が、設計・監理業務を行うために、建築主が支払う費用を設計報酬(一般に設計料)といいます。
これは、国土交通省の
告示1206号の中で、その算定方法の基準が下記のように定められております。

 
国土交通省による設計料算定方法 報酬額=直接人件費+直接経費+間接経費+技術料+特別経費+消費税  
     
直接人件費 (業務人・日数)×1日の人件費 給与、諸手当、社会保険料、退職金引き積立金等の雇用主負担分、通勤費の実費支給、その他現物給与など  
直接経費 直接人件費×0.5)

打ち合わせのための会議費、調査費・旅費、交通費、資料作成費、複写費、消耗品費など

 
間接経費 (直接人件費×0.5) 事務所の貸借料または維持・管理費、事務管理関係の人件費・通信費・諸雑費、設備機器の減価消却費・レンタル料など  
技術料 (その難易度によって直接人件費の0〜50%) 技術力、創造力など  
特別経費 出張旅費(直接経費以外)、特許使用料など  
     
     
     

                              

業務経験年数等による技術者区分
建築士等の資格・業務経験等による区分 業務能力の換算率 1日の人件費(基準)
1級建築士18年以上・2級建築士23年以上の業務 経験
及び、大学卒業後23年以上相当の能力のある者
1.83 57,800円
1級建築士13年以上・2級建築士18年以上の業務 経験
及び、大学卒業後18年以上相当の能力のある者
1.80 56,800円
1級建築士8年以上・2級建築士13年以上の業務経験 
及び、大学卒業後13年以上相当の能力のある者
1.56 49,200円
1級建築士3年以上・2級建築士8年以上の業務経験  
及び、大学卒業後8年以上相当の能力のある者 
1.23 38,800円
1級建築士3年未満・2級建築士5年以上の業務経験  
及び、大学卒業後5年以上相当の能力のある者 
1.00 31,600円
上記に該当しない者 0.69 21,800円

 

     
 

設計報酬算定例

 
 

 

 
 

ある設計物件が実質60日かかったとします。

 
 

 

 
 

上記業務経験年数等による技術者区分で行きますと、私は1級建築士取得後20年の経験を有しますのでAランクに該当します。

 
 

 
直接人件費 60日×57,800円=3,468,000円  
直接経費×0.5

3,468,000×0.5=1,734,000円

 
間接経費×0.5 3,468,000×0.5=1,734,000円  
技術料を0.25とし

3,468,000×0.25=867,000円

 

3,468,000円+1,734,000円+1,734,000円+867,000円=7,803,000円  
     
  しかし、個人的には、業務の責任を十分果たした上で、実際に必要な所得、経費から逆算しますと  
     
直接人件費 60日×22,500円(技術者区分のFランクの報酬でいけそうです)=1,350,000円  
直接経費×0.2 1,350,000×0.2=270,000円  
間接経費×0.3 1,350,000×0.3=405,000円  
技術料は人件費に含む

 0円

 

1,350,000円+270,000円+405,000円+0円=2,025,000円  
 

 

 
 

ということで、国土交通省算定基準の約25%の報酬で行けそうです。

 
     
  さらに、現在の貨幣制度を問うためにも、円貨90%、ワットシステム10%による支払いに応じることにしています。  
 

 

 
 

設計報酬とは

 
   

●『衣・食・住』の中で、『衣』『食』は日常的ですから、値段が高いか安いか、物が良いか悪いかは場数を踏むことによって目が肥えてきます。しかし、『住』の購入は、普通の方で、一生に一度あればいい方です。その方々に、専門的立場でアドバイスなどをさせていただくのが設計士の仕事なのですが、我々のPR不足もあって、設計士に頼めば、その分お金が余分にかかるので、特別の人が頼むものと思われている節があります。 

●実は、設計士に依頼される方の多くは、住まいや社屋など、これまでにいくつかの建物を建てられた方が多いのですが、理由は、その々が結果的に、良いものができて、工事の発注方法によって(入札など)はトータル的に安くついたなどの経験をお持ちです。

●では、その設計報酬ですが、工務店さんやハウスメーカーさんに直接頼んだ方が設計料がいらない分安く・・と思われるかも知れませんが、見積書の項目に設計料が明示されていなくとも、設計の仕事は誰かがやっているわけで、工事費の中からちゃんと支払われています。 

●一方、設計士に頼まれる場合は、設計から建物が完成するまで、建物を建てられる側に立って、オリジナルな設計、工事費の把握、工務店の決定、その工務店の監理を行うということで、工務店さんに直接依頼される場合とは異なります。

いいものができて、工事の発注方法によって(入札など)はトータル的(設計報酬を含めて)に安くつくという例は、ケースバイ、ケースです。具体例はお問い合わせ下さい。

 
 
 

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