中国・福建省と肥前の窯の比較(1) |
今年も中国の福建省の窯跡の見学に行ってきた。実際に調査した状態で見れたのは、昨年も訪れた福建省平和県の陂溝窯跡だけであったが、ほかにも同じ平和県の大龍・二龍窯跡やしょう浦県の赤土窯なども訪れることができた。 はたして、そうなのか? ここでは、何回かに分け、福建省と肥前の窯跡の窯体構造を比較し、それについて考えてみたい。とりあえず今回は、その手始めとして、福建省やしょう州地区の位置や窯場の分布など、基本的なことについて触れてみることにしよう。 *文中「しょう」は、漢字ではさんずいに「章」と書くが、日本の文字にはないため平仮名で示す。以下同じ。 |
(福建省位置図) |
福建省は中国の南部、台湾海峡を挟んで台湾の西側に接している。面積は12万平方kmほどで、これは北海道の8万3千平方kmと比べてもさらに広い。人口は3千万人あまりで、省都といえる省の人民政府の所在地は福州市である。日本ではなんといってもウーロン茶の産地として有名だが、日本人の目には南部に広がるバナナ畑も印象的だ。 |
(福建省の主な窯跡の位置) |
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今回は、手始めに福建省やしょう州市について簡単に説明してみた。窯場の理解には、環境を知ることが不可欠であるため、たぶん横道にそれることも多いとは思うが、これからじょじょに核心に触れていくことにしたい。 |
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