染付草花蝶文小皿         (楠木谷窯跡/1640年代後半)

 

 

(内面)

(外面)

 有田町の最も東に位置する窯、楠木谷窯跡の出土資料である。この窯場では東西に並行し、それぞれ南から北へと登る2つの登り窯跡が発見されており、相対的に開窯時期の古い西側の窯体が1号窯、東側の窯体が2号窯と命名されている。
 この小皿は1号窯の物原下層から出土している製品で、1640年代後半頃のものである。口径14.0cm、底径4.7cm、高さ4.5cmほどで、口径に対する底径の比率が約1/3と小さく、いわゆる初期伊万里と称されるグループに含まれるものである。
 見込みには草花文を描き、胴部に蝶文を配している。この見込みの文様は、近接する泉山口屋番所跡出土の「慶安元年」(1648)銘の小皿と類似しており、イゲ縁と俗称される口縁部に細かく切り込みを入れる方法は、やはり1640年代頃の製品に多用されている。

 




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