染付山水文方形小皿        (楠木谷窯跡/1640年代後半)

 

 

(内面)

(外面)

 平成5年の発掘調査で出土している型打ち成形の方形小皿である。この製品自体は二次堆積層から出土しており、土層から生産年代を把握することはできない。しかし、同様な製品が1号窯物原最下層付近でまとまって出土しており、1640年代後半頃の製品であることが分かる。
 内面は一辺の長さが8.0cm、右上の角はおそらく紙を折るように斜めに折曲げているものと推定される。よって、正確にいえば五角形となり、角の部分は欠落しているが、その折曲げたように表現した端部が凸状に残っている。見込みには家屋を配した山水文が描かれ、右に一艘の帆掛け船、上部に山と月あるいは日と思われる文様が配されている。外面は一辺が4.4cmのがっちりとした方形の高台が付けられており、高台内に「太明」銘が配されている。
 こうしたタイプの皿は、そのまま染付製品としても流通しているが、簡単な上絵を付加して色絵製品としている場合もあり、その時々に応じて使い分けられていることが一つの特徴である。

 




Homeページに戻る
Contentsページに戻る
ページの最初に戻る