染付草葉文小皿       (泉山口屋番所遺跡/1680〜1700年代)

 

 

出土品(内面)

出土品(外面)

元禄九年箱銘伝世品(内面)

元禄九年箱銘伝世品(外面)

 最近ご紹介を続けている、泉山口屋番所遺跡の廃棄土壙から出土した小皿である。本日は、その中で、遺構の年代を考える上で根拠となる製品の一つを示しておくことにしたい。
 上段の製品は、土壙から出土しているもので、口径9.8cm、底径4.8cm、器高2.3cmほどの小皿である。見込みには、コンニャク印判で、草葉文を4方向に配しており、外面胴部には手描きの松葉文が3方向に描かれている。
 下段の製品は、それに類似する伝世品で、元禄九年(1696)銘の箱入で残っていたものである。口径9.5cm、底径4.8cm、器高2.1cmほどで、出土品と比べ、口径や器高がわずかに小さいが、ほぼ同程度の大きさである。見込みには、やはりコンニャク印判で草葉文、外面胴部には手描きの松葉文が配されるが、見込みの草葉文は2方向である。
 この両製品は、草葉文の数が異なり、用いられている印判も同じものではないが、全体的にその類似性は高い。したがって、1690年代前後の製品である可能性は高く、以前ご紹介した中では、いわゆる「元禄柿」と類似する製品なども含めて、やはりこの土壙の出土品は1690年代を中心とした時期の一括資料である可能性は極めて高い。まだまだかなり多様な製品が出土しており、おそらく泉山近辺の一つの窯の資料と推定されることから、解明が遅れているこの時期の内山の製品の状況を知る上で貴重な資料と言えるだろう。

 

*伝世品は、有田町歴史民俗資料館蔵(関 和男氏寄贈)

● 画像をクリックすると、拡大写真がご覧になれます。

 




Homeページに戻る
Contentsページに戻る
ページの最初に戻る