染付銀杏三方割亀甲文皿  (岩中窯跡/1620〜30年)

 

 

(内面)

(外面)

 これから何回かに分けて、新たに51番目の窯場として登録した岩中窯跡の出土品をご紹介してみたいと思う。今回はその第一段、「染付銀杏三方割亀甲文皿」である。
 縁を小さく折った、口径21.3cm、底径8.6cmの立ち上がりの浅い中皿である。物原最下の遺物集中層から出土している。焼成の際に胴部が少し垂れて、中央部がやや盛り上がったように変形している。高台には砂が付着し、高台脇には指跡が残る。文様としては、さほど珍しいというものでもないが、同じ形状で同文を配した中皿は、即座には類例が思い浮かばない。5寸以下の皿の場合は、同じ文様の製品が多くの窯場で焼かれていることが多い。しかし、7寸以上の皿の場合、一見同様に見えても、窯場の個性が強く反映されることが多い。

 




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