染付椿文皿  (岩中窯跡/1620〜30年)

 

 

(内面)

(外面)

 椿の折枝一輪。簡素ではあるが、何とも風情を感じる文様である。濃みを入れない白い花が、いっそう目をくぎ付けにする。その周囲に濃みを巡らし唐草文を釘彫り、口縁部には櫛目文を配す。全体的な構図としても、かなり巧みだ。
 口径21cm程度、底径は9cmをやや超える程度だ。やはり、物原最下の遺物集中層から出土しているが、ほかの窯での類例は知らない。外面には、おそらく偶然と思われる呉須の付着があるが、この程度は問題にもならないところに、現代のような画一的な工業製品にはない新鮮味がある。

 




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