薄瑠璃掛分け菊文輪花長皿  (ムクロ谷窯跡/1730〜40年代)

 

 

(内面)

(外面)

 たまにはおもむきを変えて、18世紀の製品も紹介してみよう。この皿は、平成2年度に発掘調査した上南山地区のムクロ谷窯跡で出土したものである。半分に薄瑠璃釉、残りに透明釉を掛けた片身替りにしており、見込みには染付で菊文が描かれる。焼成室の床面から複数まとまって出土しており、最終焼成品であることが分かる。上絵を加えたほぼ同じ伝世品があり、元文三年(1738)銘の箱書きを伴う(九州陶磁文化館蔵)。伝世品には外面胴部に宝文が二方向に配されるが、この出土品は無文である。しかし、それ以外はすべて共通している。
 口縁部の長径は約23.2cm、底部の長径は約15.4cm、高台内には2個所ハリ跡が残る。同じ床面からは、やはり薄瑠璃釉を掛け分けた同じ文様の隅入方形皿も出土している。

 




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