薄瑠璃掛分け菊文方形皿  (ムクロ谷窯跡/1730〜40年代)

 

 

(内面)

(外面)

 またまたムクロ谷窯跡の焼成室床面で出土している皿である。隅入方形の皿で、見込みには菊文が描かれ、半面には表裏に渡って薄瑠璃釉が掛けられている。外面は無文で、長方形の高台が付けられている。最初に紹介した輪花長皿とは形状以外は共通しており、同一焼成室の床面からそれぞれ10個体以上出土している。輪花長皿と類似する伝世品に元文三年(1738)箱銘のものがあり、同じく前回紹介した陽刻茄子文皿の類品に享保十六年(1731)箱銘のものがあること、また、窯の最終焼成品であることなどを考慮すれば、1730年代〜1740年代頃の製品と考えてほぼ間違いないだろう。

 




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