色絵鯛文小碗        (赤絵町遺跡/1780〜1810年代)

 

 

(内面)

(外面)

 赤絵町遺跡から出土した、見込みに上絵具で鯛文を描いた小形の碗である。一般的に「めでた盃」と呼ばれ、かつては九谷の春日山窯の製品と考えられていた。しかし、赤絵町遺跡で、数十個まとめて出土しており、上絵付け前の素地ならば数百個体程度もある。この碗は、見込みの釉を円形に剥いで、同形の碗を直接10個前後も重ねて焼成している。そのため、釉を剥いだ部分を見えなくするため、その上に上絵で鯛文を描いているのである。つまり、比較的量産を目的とした製品である。おそらく下絵は描かずに直接施文しているため、個々の碗によって、かなり文様の大きさや形状が異なっている。

 




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