染付捻花文小皿        (赤絵町遺跡/1680〜1690年代)

 

 

(内面)

(外面)

 やはり1680年代〜90年代頃と推定される遺構から出土した、赤絵町遺跡の染付小皿である。赤絵町遺跡の出土遺物として、染付製品を掲げるのも奇異な感じを受けるかもしれないが、意外にも出土遺物には染付製品が多い。家屋造成の際に水はけを良くするために床下に敷いた整地用や生活用具として使用されたものが多いものと推定されるが、ここに染付製品も集まってくる何らかの体制があった可能性もある。1650年代〜1820年代頃までの土層が順に堆積していたため、製品の変遷が比較的容易に追える遺跡である。
 肝心のこの皿は、口径11.3cm、底径7.4cm、口径が3.7寸ほどにあたる小形の皿である。内面の中央部にはコンニャク印判で五弁花文を配し、周囲には捩り文が迴らされている。外面は、胴部につぼみ文様を描く唐草文を迴らし、高台内には一重圏線と大明年製銘を付している。
 ところで、この皿に用いられているコンニャク印判は、これまでのところ1680年代頃に出現すると推定されている。つまり、この皿はまだそのコンニャク印判が登場して間もない頃の製品である。この頃には、印判も大形のものが多く、五弁花文などもきっちりとした形を保っているのが一つの特徴である。

 




Homeページに戻る
Contentsページに戻る
ページの最初に戻る