染付陽刻菊重文変形小皿 (楠木谷窯跡/1640年代後半〜50年代初頭)

 

 

(内面)

(外面)

 11.5cm×8.0cm程度の小形の変形皿である。押型成形で菊花を重ねた文様を陽刻しており、葉の部分のみに染付を入れている。外面には四方に葉文を染付し、楕円形の高台内には「芭蕉」の銘が入る。また、口縁部には口銹が施されている。
 楠木谷1号窯跡の物原の最下に近い層から出土しているもので、さらに上の層からは「承応貮歳」(1653)銘の製品がいくつか出土している。よって、1650年代初頭以前の製品であることはまちがいない。「芭蕉」銘の製品は、皿としてはこの楠木谷1号窯跡で数種類出土している他は例がなく、下白川窯跡の小碗や天狗谷窯跡の瓶に付された例がある。ただし、これまでのところその意味は不明である。伝世する色絵小皿にもこの銘が付されたものがいくつか知られており、早い段階の色絵生産を探る上でも貴重である。

 




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