色絵花散らし文嗽碗     (赤絵町遺跡/1690年代〜1710年代)

 

 

(内面)

(外面)

 赤絵町遺跡では、数えたことはないが、おそらく多い方の数百点にのぼる色絵製品が出土している。この嗽碗(うがいわん)もその一つで、1690年代〜1710年代頃の遺構からの製品である。内面にはあらかじめ染付で花文を描き、見込みの釉を蛇ノ目状に剥いで重ね焼きしている。つまり、比較的雑なタイプに属すものと考えていい。胴部には緑・赤・黄などの上絵具で花を加え、内底にも色絵具で花弁を描いて、釉剥ぎした部分を隠している。こうした蛇ノ目釉剥ぎし色絵具で隠すものは、皿では1650年代にすでにいくらか行われている。しかし碗としては、この製品などが比較的早い例であろう。

 




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