色絵花唐草文碗     (赤絵町遺跡/1710年代〜1740年代)

 

 

(外面)

(内面)

 赤絵町遺跡から出土している染錦の碗である。口縁部を大きく外反させており、高台外面の下半部は深く削り込まれている。外面には色調の薄い朱色の赤を主体に、緑・黄緑などを用いて花唐草文が施文されている。内面は、口縁部の草花文の茎や葉の一部と、見込みに描かれた龍の目と背だけを染付にし、赤・黄緑・黄を用いた上絵を加えている。
 こうした龍の顔や背だけに染付を用いる描法は、中国模倣の盛行に乗って1690年代頃から行われるようになり、18世紀前半に比較的多くの製品が生産されている。また、使われている黄緑絵具も1690年代から見られる色調である。おそらく、中国の呉須赤絵を模倣したものと推定される。

 




Homeページに戻る
Contentsページに戻る
ページの最初に戻る