色絵山水文手付蓋物     (赤絵町遺跡/1680年代〜1690年代)

 

 

(外面)

(内面)

 染付を配した素地に色絵を付けた蓋物である。同じ伝世品から、二方向に把手を付け、高い脚が付けられていたことが分かる。また、出土していないが、蓋の摘みは獅子形になっている。一見して海外向けの製品であることが分かるが、17世紀末から流行する金襴手の染錦ではない。外面には岩を染付にして、赤、緑、青絵具で山水文が描かれている。ちなみに赤絵町遺跡からは、同様な山水文を見込みに配した柿右衛門様式風な中皿が出土している。見込みの牡丹文も明るい朱色の赤、やや青味を帯びた緑、青を用いて描かれているが、この組合せも柿右衛門様式に通有なものである。文様個々は柿右衛門様式に近いが、金襴手スタイルの誕生を予感させるものである。

 




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