第1033回 主役は あなた 〜自分の人生は 自分で創る〜

 平成24年 11月8日〜

仏教系の大学で入学したばかりの一年生相手に、仏教の授業を担当している
先生のお話です。


毎年四月の最初の授業、教室の雰囲気が暗く重いものです。
どうやら仏教というと新興宗教のイメージが強く「洗脳されるのではないか」
という恐れがあるようです。

また、仏教なんてお年寄りだけが学ぶもので、若い自分たちにはまったく

関係ないとも思っているようです。

 さあ、どんな表現・どんな語り方で仏教がわかりやすくて・楽しくて・

かつ自分たちの生活と密接に関係するのかを、現役大学生たちに
感じていただければいいのか。
アイデアを練り、チャレンジする授業は、毎回ワクワクします。


 まず、ブッダ(お釈迦さま)のさとりの内容として、宇宙にある
すべてのものは関係性の中に存在する、というお話をします。
例えば、粒子という物質の最小単位でこの宇宙を見てみると、
すべてのものはつながりあい、関係しあって存在しています。


現代の科学で説明されている宇宙の状態を、2500年前のお釈迦さまは
鋭い直感力によって把握しました。

 そして、すべて自分のしたことは、そのまま自分に帰ってくると

伝えたのです。このことを四字熟語で言うと「自業自得」といいます。
普段悪い意味で使われるこの熟語ですが、実は「業」という言葉には、
深い意味があるのです。


 「業」とは、@頭で考えたこと・心で思ったこと A口に出したこと
B身体で行動したこと。つまり、その人の全体のことです。
その自分の「業」の結果が、自分の現実(得)を創るのです。

例えば、もし今のあなたの現実が他人とぶつかってばかりの現実だとすると、
それは自分の業の結果です。いつでも・どこにいても周りの人が親切な人

ばかりだというのも、自分の業の結果です。

 環境を変えても、引き起こす(人間関係の)問題の種類が同じだと
感じたことはありませんか?

それは、自分の人生劇場の登場人物はその時々で変わっても、
主役(自分の業)によって「現実のシーン」(得)は創られているからです。

良いも悪いもなく、すべて自分の「業」の結果が、今ここ・私の人生となって

います。これは、日常生活の中で観察してみるとよく分かります。

例えば、「他人は自分の鏡」という表現があります。
他人に対してぞんざいな言葉や態度で接すると、同じように相手から軽く

扱われてしまいがちです。

逆に「敬語」を使って丁寧に人に接すると、相手も丁寧に接してくれたり

します。勿論すべてではないのですが、自分の業に対して、相手の業も
変化しているのです。

 ですから、相手のどの部分を引き出すのかも、実は自分次第だともいえます。
そして、大学生に難しくてめんどうくさいと思われている「敬語」は、
相手を大切に敬う表現ではありますが、相手を敬う形で、実は自分のことを

大切に扱ってほしいというメッセージも発しています。

大切な私を大切に、目の前にいるあなたも同じように大切に、
それが日本語特有の「敬語」の素敵なところですね。

さあ、今日はどんな人生の1ページを創りましょうか。
自分の人生劇場の主役は、自分です。

という文章です。 (ないおん 仏教研究家 
           都路 恵子師  自分の人生は自分が創る より


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。次回は11月15日に
新しい内容に変わります。


         


           私も一言(伝言板)