生命の暗号
妙念寺電話サービス、お電話いただきありがとうございます。
生命科学の研究は、いま素晴らしい勢いで進んでいますが、
こんな一冊の本を見つけました。
「 生命の暗号 」 という筑波大学の村上和雄先生が書かれた本です。
生命の仕組みは、驚くほど不思議なことばかりです。
私たちは、簡単に生きるなどと言っていますが、
自分の力だけで生きている人は、地球上に一人もいません。
ちょっと考えても、呼吸ひとつするのも、血液が循環するのも、
ホルモン系や自律神経系が、活躍しているのも私たちが自分で、
工夫し努力して、動かしているのではないことに気づきます。
そしてホルモンや神経をコントロールしているのが、
遺伝子と言われるものだそうです。
人間は、赤ちゃんの時に既に、3兆個もの細胞を持って生まれて来ます。
最初はたった一個の細胞が、二つに分裂し、やがて四つ、八つと分裂して、
生まれるときには、3兆という膨大な細胞に増えているのです。
人間の体重1キロに、およそ1兆の細胞がありますので、
体重60キロの人は、60兆もの細胞から成り立っているといいます。
そして、驚くことにこの一つ一つの細胞のすべてに、
親から受け継いだ、同じ遺伝子が組み込まれているといいます。
髪の毛も爪も皮膚も形は違っていますが、一つの細胞には、
まったく同じ遺伝情報が組み込まれているといいます。
60兆ある細胞の一つ一つの中には、30億もの情報が、
ぎっしりと詰まっているといいます。
小さな細胞の中に一つ残らず、一千ページの本、
一千冊分の情報が詰まっているといいます。
そして、その一つ一つの細胞は、遺伝子の指令で自分の務めを
果たしているのですが、遺伝子の、わずか5パーセントだけが
指令を出して、その他の95パーセントは、
遺伝情報のスイッチが入らない状態だといいます。
その情報を働かせるのは、人間の心の状態によるのではないかと
言われます。
心と強く反応する遺伝子があるのではないか。
幸せをつかむには、自分の遺伝子を、どう刺激し
どう働かせるかだろうといいます。
生き生きワクワクする生き方をすれば、よい遺伝子が働き、
悪い遺伝子が働かなくなるのではないかと言われます。
お念仏の教えに出会い、喜び多い毎日を過ごすことは、
私の中のよい遺伝子が働き、悪い遺伝子を、休ませることになり、
両親をはじめ、先輩たちが最も期待する、素晴らしい人生が
訪れてくるのだろうと思います。
お念仏の人は、知らず知らずに自分自身を
生き生きとさせているのでしょう。
そのことを、お念仏を通して、お釈迦様も、親鸞聖人も、
蓮如上人も教えてくださっているのでしょう。
どうぞお念仏とともに、心豊かな喜び多い、
素晴らしい毎日をお過ごし下さい。
妙念寺電話サービス、次回は、1月22日に新しい内容にかわります。
(平成 10年 1月 15日〜 第260回)