第345回 お浄土へいけない時は
平成11年9月2日〜8日まで
妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。
親鸞聖人がお勧めいただいた念仏の教え「浄土真宗」の
根本の経典は、浄土三部経です。
仏説無量寿経、仏説観無量寿経、仏説阿弥陀経。
大経、観経、小経の浄土三部経です。
ところがお経は漢文ですので、その内容は一般にはよく分りません。
そこで、現代語にした浄土三部経が、新しく発行されました。
妙念寺では、インターネットのホームページを作るにあたって
この浄土三部経や御文章、歎異抄、蓮如上人御一代記聞書などの
現代語版を全部打ち込み、ホームページに掲載しました。
この掲載作業中に、親鸞聖人がこれこそ、お釈迦さまがこの私の
ためにお説きいただいた教えといわれる大無量寿経を何度も
読み返しているうちに、一つ忘れていることに気づきました。
お念仏一つで、一人も残らず救おうとありますので、簡単に
お浄土へいくのが当り前だと思っていますが、もし、お浄土へ
いけないときはどんなことになるのかを、忘れています。
みんなが救われるから大丈夫と、安心しきっていますが、もし
浄土に生まれることが出来ないときのことをよく知っていません。
こうした人のことを大経には、
「心が愚かであり、かたくなであって、仏の教えを信じず、
この世のことを考えず、各自がただ目先の快楽を追うばかりである。
財欲と色欲をむさぼることは、まるで飢えた狼のようである。
欲望にとらわれてさとりの道に入ろうとせず、ふたたび迷いの世界に
生れて苦しみ、いつまでも生れ変り死に変りし続ける。
何という哀れな痛ましいことであろうか。」
とあります。
人間が生きていくためには、法律には違反するようなことは何一つ
しなくても、多くの罪を犯して、地獄にしかいけない原因ばかりを
作っていると説かれています。
苦しみの世界から逃れることの出来るような原因など、何一つ
実践できないのです。
苦しみを受けるような原因ばかり作っているのに、
気づいていない人ばかりであると説かれています。
阿弥陀如来はそのことをよく知った上で、お念仏を与え、
地獄にしか行くところのないこの私を、何とか救おうと今この時も
働いて頂いているのです。
お念仏でしか救われない私であったと気づくとき、口にお念仏が
出、仏になる仲間として、 人間らしい喜びの生活が与えられ
るのです。
浄土三部経を読み返しながら、このように感じました。
妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、9月9日に新しい内容に変ります。