第386回 親鸞聖人の呼びかけ

       平成12年 6月15日〜

妙念寺電話サービスです。
このところ、朗読法話集をご紹介していますが、
今回のお話は 「 親鸞聖人の呼びかけ 」 という法話です。


「 七高僧のお一人である善導大師は

  ーー 人間怱々(そうそう)として衆務(しゅうむ)を営み、
  年命(ねんみょう)の日夜に去ることを覚えず、灯の風中に
  ありて滅することを期(ご)しがたきがごとしーー


  と、おっしゃっています。

  人間は毎日忙しく仕事をし、自分の命がなくなってゆくことに
  気がつかない、ちょうど灯火が風の中でいつ消えるとも
  しれないようなものである、という意味です。


  人の一生はしばしば旅にたとえられます。昔の旅人が、
  いろいろの苦難にあいながら、ひたすら歩みつづけた
  孤独な旅、それはまさしく私たちの人生といえるでしょう。



   一寸先は闇と言いますが、明日どんなことが起きるか、
  全く予想できません。


  未知の未来に向かってひたすら歩みつづける私、
  さまざまな悲しみや苦しみに一喜一憂し、時には
  挫折しそうになることすらあります。



  そのとき、私たちを支えるものは一体何でしょうか。
  悲しみ苦しみの人生を、確かな足どりで、一歩一歩
  あゆみ続けるにはどうすればよいのでしょうか。



    親鸞聖人は九十年のご生涯において、阿弥陀如来の
  救いに遇い、確かな拠り処を見いだし、一歩一歩
  喜びの中に生きつづけられました。



   善導大師は、さきほどの文章につづいて、

   ーーおのおの聞け。剛健有力(ごうけんうりき)の時、
   自策自励(じしゃくじれい)して常住を求めよ。ーー


   と言われています。

  うつろう世に、移り変わるものに心を託して生きている
  のが私たちの現実の姿です。


  親鸞聖人は 『 変わらないもの、確かなものに拠り処を
  見いだして生きよ 』 と私たちに呼びかけていて
  くださっているのです 」



 このように、三宮義信先生はお書きいただいています。
みなさんは、何を支えにしてこの人生を生きて
いらっしゃいますか。


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、6月22日に新しい内容に変わります。