第388回 引き算から足し算

         平成12年 6月 29日〜

妙念寺電話サービスお電話いただきまして、ありがとうございます。

前回、小川一乗先生のお話をしましたが、その妹さんの、
鈴木章子さんのことを知りたいと、この電話に吹き込まれて
いました。


鈴木章子さんは 北海道のお寺の坊守さんでしたが、ある日、
ガンの告知を受けました。


それでも力強く生きぬかれ、47歳の若さで亡くなられた方です。
その闘病生活の中で、綴られた歌に次のようなものがあります。


           安  心


私はガン患者

今 如来さまから いただいた役を

果たしている

これで いつ 私の幕切れが来るかは

如来さまが 知っている

役柄を知って 演じていても

この安心

 

阿弥陀様に任せ切った鈴木章子さんの歌には、このほかに

                       
  

    変  換

 

死にむかって 進んでいるのではない

今をもらって  生きているのだ

今ゼロであって 当然の私が 今生きている

ひき算から 足し算の変換

誰が教えてくれたのでしょう

新しい生命 嬉しくて 踊っています

“ いのち 日々あらたなり ”

 うーん わかります 

 

 私たちは、一日一日寿命が短くなっていく、
そんな毎日を送っています。


しかし、まだまだ先は永いと、のんびりと人生の送っています。


突然にガンの告知を受けた鈴木さんは、今日一日を精一杯
生きることの大事さに気づかれました。それを教えてくれたのは、
誰か、それがお念仏だったと。


だんだん人生が短くなっていくという、引き算の人生から、
足し算の人生へと変換させたとき、一日一日が踊りたくなる
ほど新鮮で、嬉しくなったとの歌です。


そして、鈴木章子さんのお兄さんで、大谷大学の
小川一乗学長さんは、真実の教えにであうと、
その教えに出会ったことで、生きていることが、どんどん、
嬉しく楽しくなるもの、それが本物の宗教であると
おっしゃっています。


たとえガンになろうと、例えどんな苦しい悲しいことが起ころうと、
力強くいきていく力を与えられるのが、お念仏であると、
教えていただいています。


妙念寺電話サービスお電話有り難うございました。
次回は、7月6日に新しい内容に変わります。