第405回 支えられて
平成12年 10月 26日〜
妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
IT時代、IT時代と言われますが、見ず知らずの方から、
結婚式の挨拶で、いい話はないかとの問い合わせ
メールが届きました。
五十二歳になられるお寺出身で、公務員の方が、
姪御さんの結婚式で親戚の代表挨拶だとのことです。
そこで、こんな挨拶はどうかと、さっそくメールを送りました。
「〇〇さん、〇〇ちゃん、結婚おめでとうございます。
〇〇ちゃんが誕生したのは、確か春、桜の頃でしたね。
初孫の誕生に、おじいちゃんおばあちゃんが手放しで
喜んでいた姿を今でも思い出します。
あの赤ちゃんが、こうして今日晴れて結婚式、
感激もひとしおです。
叔父さんは、お寺の次男坊として生まれながら、
仏教のことは、あまり勉強していませんが、近ごろ
つくづく感じることは、「おかげさま」ということと、
「ありがとう」という言葉が、素直に言えるということは、
お寺に育ったおかげではないかと、感じるようになりました。
年を重ねてくると、「おかげさま」も、目の前にいて私のために
努力してくれた人だけではなく、私の知らないところで、
この私のためにいろいろと働いていただいた、多くの方々が
あって、その方々は、口には出さず、だまって見守っていて
くださることを、少しずつ感じられるようになって来たことです。
「ありがとうございます」と、お礼を言わねばならない人は
たくさんいらっしゃるのに、そのほんの一握りしか、私は
気づいていないのではないか。
今日お二人は、今一番幸せな時でしょうが、これまでにも、
そしてこれからも、お二人のために、蔭になり日なたになって、
多くの方々が支えていただいていることを、そして今、共に
喜んでいただいていることを、感じ味わっていただきたいと
思います。
やさしい言葉をかけて下さる方も、厳しい言葉をいただく方も、
だまって無関心をよそおっていただいている方も、みんな、
お二人のことを思い、お二人の幸せのために、努力いただいて
いる方だと感じて、「おかげさまで」と「ありがとうございます」を、
素直に言える人生を歩んでいただきたいと思います。
どうしても素直に、言えないときもありますが、そんな時には、
お仏壇の前で、南无阿弥陀仏、南无阿弥陀仏ということが、
出来るようであれば、きっとみなさんにかわいがられる、すばらしい
生活が待っていると思います。
二人だけの世界に閉じこもらず、多くの人に支えられていることが、
感じられる人生を送っていただくことを希望し、
お祝いの言葉とします。
本日は、どうもおめでとうございました。
そして、みなさま本当にありがとうございました。
これからも、二人のことをよろしくお願いします」
妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、11月2日に新しい内容に変わります。