第417回 ナムかナモか
平成13年 1月18日〜
妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
ご正忌報恩講も過ぎ、いよいよ最も寒い季節を迎えます。
今年は、暖冬だとの予報もありましたが、やはり冬は冬、
九州地方では久方ぶりにまとまった雪が降り、山は真っ白く
化粧をしています。
温かい冬ばかりを期待せず、冬は冬らしく、夏は夏らしく
あることが自然であり、この季節の変化を喜ばせて
いただきたいものです。
さて、皆さんは、お念仏を、どのように口にしていらっしゃい
ますか。ナマンダブの方もありましょうし、ナムアミダブの方も、
またナモアミダブとおっしゃる方もあると思います。
漢字では、「南」と「無」、「阿弥陀仏」となりますので、多くの方は、
漢字をそのまま読んで、ナムアミダブツ、または、ナマンダブ
だろうと思います。
東京などには、南無の会という会があって、禅宗も浄土宗も
日蓮宗もみんな集まって法話の会を、喫茶店などで、開く
組織があります。
お釈迦様の教えをなんとか優しく伝えようとのグループです。
この会もナム(南無)の会、漢字の読み通りに、ナムの会と
言われます。
それでは、浄土真宗ではどういうのか。
もしお手元に、お聖教があれば、何と仮名がふってあるか、
確かめてください。
ナムアミダブとありますでしょうか、それともナマンダブでしょうか。
ナマンダブはあるものの、ナムアミダブは、ありません。
ナムではなく、ナモと仮名がふってあります。
漢字をそのまま読むナムではなく、ナモと振り仮名がふって
あります。
なぜそうなのでしょうか。無しという字に、モと読むことが
できるのでしょうか。
これは親鸞聖人が、ナモアミダブと「モ」と仮名をふって
いただいたためなのです。
ほとんどの宗派がナムと発音するようですが、浄土真宗でも
本願寺派だけが、ナムではなくナモと発音するようです。
どうしてなのか。
それは漢字に忠実ではなく、インドの言葉、ナモに近い
発音をされたためのようです。
お釈迦さまに近い、インドの発音に最も近い発音をされたため
のようです。
そこで、本願寺派では、親鸞聖人に習って、ナムではなく、
ナモと発音するのです。
さて、それでは、その南无阿弥陀仏というのはどういう意味
なのでしょうか。
蓮如上人は、ご文章の「機法一体章」の中に
南无阿弥陀仏というはどういう意味なのか、またどのように
阿弥陀如来を信じるならば浄土に往生することが出来るか、
それを心得るためには、まず南无阿弥陀仏の六字のいわれを
よく心得なければなりません。と
お書きいただいています。
南无阿弥陀仏を口にし、耳に聞く生活で、南无阿弥陀仏の
いわれを、南无阿弥陀仏の喜びを味わわせていただきながら、
力強い今日一日でありたいものです。
妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、1月25日に新しい内容に変わります。