第441回 負けて本願に帰す
  
   平成13年 7月 5日〜

妙念寺電話サービスお電話有り難うございました。

大阪の利井明弘先生のこんな話を聞きました。
お念仏を喜ばれた山本仏骨和上は、大変な相撲好きでした。


行信教校というお念仏の学校の教授をしておられましたが、
学生たちが、校庭でキャッチボールをしていると、講師室の
窓から顔をだして、「ヤメー、ヤメー。そんな毬ほりのどこが
面白い。そんな暇があるのなら、部屋に帰って、お聖教を読め」と、
野球をしているのを見ると必ずおっしゃったと言います。

時間がもったいないというだけではなくて、野球という
スポーツが嫌いだったようです。


授業の時間まで、何度もしつこく同じことを言われたので、
つい口答えをして


「どちらもスポーツなのに、野球がだめで相撲が良いのは
何故ですか」と、尋ねたことがあったといいます。


山本仏骨先生は、「相撲は日本の国技であります」と、
おっしゃったということです。


学生たちはいっせいに笑ったそうですが、山本先生は
「相撲と言えば、諸君の中で横綱と勝負をして、
百度に一度位は勝てると思うものがあったら言ってみろ」と
言われました。


「そんなもの、一度で、はり倒されて死んでしまいます」

「その通り。お聖教を読んで、阿弥陀さまと智慧くらべするな。
負けて本願に帰せ」とおっしゃったということです。


阿弥陀さまと智慧比べをしても、万に一つも勝つことは
ないのに私たちは、おうおうにして、自分の力を過信して、
阿弥陀さまと智慧比べしているようです。


阿弥陀さまは、五劫という長い間考え、永劫の修行して、
お念仏一つですべての人を救う法を完成していただきました。


私の浅知恵で、勝負しないで阿弥陀如来にお任せして、
自分で今やれることを精一杯努力したいものです。


阿弥陀如来さまと智慧比べしても決して勝つことはない。
負けて本願に帰する。
ただ念仏だけがまこととのお言葉を有り難くいただき、
お念仏の生活を送りたいものです。


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、7月12日に新しい内容に変わります。