第451回 お釈迦さまと阿弥陀さま

          平成13年 9月 13日〜


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。

ところで、こんな質問を受けました。

「お釈迦さまは、阿弥陀さまのお弟子のようですが、
普通の社会感覚では、後任を立てるものですし、
お釈迦さまのことを飛ばして、前任の阿弥陀さまのことを
重要視するのは何故ですか。」との質問です。               


確かに仏教は、お釈迦さまが説かれた教えです。
しかし、悩み苦しむ多くの人びと、その人その人に最も適した
教えを説かれたために(応病与薬)、教えの内容は膨大なものです。


 私たち浄土真宗は、その教えの中で「浄土三部経」、
特にその中で「大経」こそが私のための教えだったと味われる
親鸞聖人の後を慕い、お念仏とともに生きるグループです。 

では、その大経(無量寿経)には、どんなことが説かれて
いるのでしょうか。


 阿弥陀如来の国(浄土)と、その国がどのようにして
出来たのか、またその国はどんな国なのか、そこに行くには
どうすれば良いのかが説かれています。


 お釈迦さまが説かれた大経の内容は、非常に具体的で、
そこに住んでいた人が自分の故郷を、出身地の思い出を
語るように細部にわたって説かれています。


 そして、その世界のすばらしさは、夜も寝ずに説き
続けたとしても、何億年かかっても語り尽くすことは
出来ないとも言われます。


 このお経には、また、そこに生まれた人は、阿弥陀如来と
同じ願いを持ち、人びとを救うために、迷いの世界に自由に
出掛けて働くと説かれています。



 ですから、親鸞聖人は、お釈迦さまはお浄土からこの世に
来られた方で、お浄土のことを説き、また、お浄土に
帰られたのだと味わっておられます。 

   
お釈迦さまが説かれたのは、この阿弥陀如来の願い、
阿弥陀如来の世界、そして今、人間がもっとも人間らしく
生きることの出来るただ一つの方法だと思います。



 ですから、擬人化した阿弥陀如来に対して礼拝するのではなく、
阿弥陀如来の理想の世界を味わい、自分の生き方を問うことを
お勧めいただいているのだと思います。


 お釈迦さまは、その阿弥陀さまの願いを、人間の私たちに
分かるように言葉として教えていただいた方です。


そこで、お釈迦さまではなく、阿弥陀如来のご絵像をかけ、
「南无阿弥陀仏」という六字の名号をご本尊とするのです。


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、9月20日に新しい内容に変わります。