第486回 伝えたい家庭の味

 
平成14年 5月16日 〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。
さてこんな本が出版されています。


「伝えたい家庭料理」という地元の新聞社が発行した、
写真が多く入ったお料理の本です。ご門徒の奥さんで
大学で食物栄養学を教えておいでの野口先生が書かれた本です。


ジャガイモ、サトイモ、コンニャク、大豆、カボチャ、レンコン、ゴボウなどの
手近な野菜、それに米、麦など日頃手に入る材料での家庭料理を、
見直し伝えていこうという趣旨の本です。


郷土の料理とは、土地の自然風土の中で育まれた産物を生かして、
その土地で味わえる料理のことでしょう。


季節季節、旬の新鮮な素材を生かしたり、豊作や大漁など一度に
沢山の物が手に入った時に、保存のために加工工夫したものや、
お祭りやお寺の行事などの中から伝承されて来た料理のことでしょう。


家庭料理、あるいはおふくろ料理として受け継ぎ味わわれてきましたが、
近ごろ家庭で料理を作らないケースが多くなって、「おふくろ料理」どころか、
袋の入った料理を電子レンジで暖めるだけの、「袋料理」になったのではないか
とも言われます。


人間の身体は、食べ物を食べることで成長して行く訳けですから、
毎日毎日の少しづつ育てられていくものだと思います。


ところで、毎日毎日、育んでいくと言えば、こうした家庭料理だけではなく、
お仏壇を中心とした家庭での情操教育ではなかったかと思います。


自分だけのことを考えるのではなく、周りに生活する多くの人びと、
加えて過去の先輩たち、そしてこれから私たちの後を受けつぐ世代と、
心を豊かに生きていくことの重要さを、現代は忘れてしまっているようです。


今生きている自分たちだけではなく、これから新たな世界を受け継ぎ、
築いていく世代に伝えていくことの重要さを感じます。


伝えて行きたいのは、家庭料理だけではなく、家庭での親と子供の触れ合い、
人間として最も大事な生きる方向、生きるすべを伝えて行くことが
最も大事なことではないかと、感じます。


お念仏の教えは、そうしたものを次の世代に伝えていくための
言葉でもあったはずです。

ところが、それが、今忘れられているように感じます

大人たちが受け継いだことをしっかりと味わい、次の世代に
伝えていくことが重要な時代のように思います。


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、5月23日に新しい内容に変わります。