第504回 プラスだけでなく

 
平成14年 9月19日〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。

ある方とお話ししておりましたが、期待していたことと反して、
自分の都合の悪いことが起こってしまった。


「こういう時は、どうもお蔭さまとは言えませんね」と
おっしゃいました。


でも、よく考えて見ると、自分の都合の良いことだけが、
お蔭さまではないようです。


今、自分にとって都合の悪い出来事も、実はお蔭さま
ではないかと、思えます。


自分の勝手な思惑で、自分の導きだした結論、自分の
期待していた結果と一致することだけを喜ぶのではなく、
今は望まない困ったことだと思える出来事も、その現実を
直視して対応していけば、将来、それが最も良い結果、
最高の出来事であったと思えるようになるのかもしれません。


自分にとって良いことが起こっても、悪いことが起こっても、
それはみんなお蔭さまであると味わえる人生こそ、もっとも
豊かな意味のある人生だと思えます。


目先の出来事に一喜一憂せずに、すべての出来事を
素直に受け入れて、逃げずに真正面から立ち向かって
行く、そうした人生こそ、喜び多い、生きがいある人生に
なっていくのだと思えます。


プラスだけが、お蔭さまではなく、マイナスもお蔭さまで
あると言える人生。
何事もお蔭さまということが出来るようになるのも、
お念仏に出会うことが出来たために、開かれた
新しい世界ではないかと感じます。


私にとって、プラスになることだけを願わず、
どんなことが起こっても、すべてを受け入れていくこと。


自分にとってマイナスと思えることも、お蔭さまですといえる
人生こそが、人間らしい豊かな人生だと思います。


南无阿弥陀仏のお念仏を口にするとき、マイナスと
思えたことも、困ったと悩んでいることも、苦しんでいることも
転じられていく、私にとって意味のある大事な出来事だったと
言える世界が開けてくるのでしょう。


何一つ私の人生には無駄なことはなかったと、思える
人生を歩ませていただくのだと味わいます。


マイナスもお蔭さま、プラスもお蔭さま。

ただマイナスの出来事の方が、この私を大きく進歩させる
偉大な働きが、大きな力があるのだと感じます。


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました次回は、
9月26日に新しい内容に変わります。