第513回 今お帰りになりました

 平成14年 11月21日〜

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阿弥陀さまは、この私といつも一緒にいらっしゃると、
お聞かせいただいても、なかなかそれがはっきりと分かりません。


ところが、浅原才一という妙好人の方は、こんなことを
おっしゃっています。 


自分で質問し自分で答える、自問自答の記録が残されていますが、
「才一や、阿弥陀さまは、今どこにいらっしゃるのか」自分で自分に
質問し、「今、ちょっとお留守でございます。ナマンダブ、ナンマンダブ」、

「あっ、阿弥陀さんは、今お帰りになりました。ナンマンダブ」という、
有り難い言葉が記録されています。


南无阿弥陀仏が口に出ないとき、聞こえない時には、阿弥陀さまは
お留守なのか、どこにいらっしゃるのかわかりません。


阿弥陀さまの働きを忘れて、煩悩が一杯わいてきて、あれが欲しい
これが欲しい。

悲しい悔しい辛いと、愚痴一杯の私達、それは、阿弥陀さまが
お留守だからでしょう。


でも南无阿弥陀仏と口に出たときに、「あっいまお帰りになりました。
ナンマンダブツ」なのです。


仏さまの所在というものを、浅原才一さんは、明らかに実証して
おられます。


仏さまは、西方極楽浄土にじっとして居られるのじゃない。
南无阿弥陀仏という、聞こえる仏さまとなって、私と今ここに
いらっしゃる。


南无阿弥陀仏が聞こえるところ、私のいるところ、行くところ、
私と仏と片時も離れることはない、切れるところがない。


しかし、私が南无阿弥陀仏を忘れているとき、阿弥陀と一緒で
あることを忘れてしまって、欲にまみれた。煩悩にまみれた私の
姿が現れてくるのです。


阿弥陀さまは目で見る仏様でも、触ることが出来る仏さまでも
ありません。まして匂いの仏さまでもありません。

頭でイメージする仏さまでもありません。
南无阿弥陀仏の声の仏さまとなって、この私といっしょに、
ここにいていただくのです。


南无阿弥陀仏の仏さまは、お念仏の人とともに、いつも
いっしょに居て、励まし導いてくださるのです。
どこにいても、いつも一緒に働きかけてくださる阿弥陀さまとともに、
力いっぱいの人生を味わわさせていただきたいものです。


お念仏が聞こえるところに阿弥陀さまはいらっしゃるのです。
この私とここに、一緒にいらっしゃるのです。
南无阿弥陀仏、南无阿弥陀仏。

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次回は、11月28日に新しい内容に変わります。