第522回 ひずみを直す

 平成15年 1月23日 〜

妙念寺電話サービスお電話有り難うございます。
お参りの途中に車でラジオを聞いておりましたら、
大学の先生が人間は身体の歪みから病気になって
いると話されていました。


この歪みを直せば治る病気もあるといいます。
地球上で生活する哺乳類は、人間を除いてみんな
四本足。
人間だけが二本足で立ったために、腰痛などの独特の
症状が出るのだということです。


人間の身体を建物に例えて、二本の足が柱とすれば、
四本の柱が二本になったために、棟木が歪むのに
良く似て背骨に歪みが出るのだと言われます。

日常知らず知らずに不自然な無理な態勢であるために
内蔵や神経に問題が起こるのだとも言われます。


長い時間、腰を屈めていた後、急に背伸びして、
ぎっくり腰になった経験をお持ちの方も多いでしょうが、
無理な体勢から急に元に戻そうとすると、身体を痛めて
しまうのだろうと言われます。


ところで、哺乳動物である猫は、一日に実に十七時間
以上も寝ていると言われます。
身体を丸めて長い時間寝ている猫が、起きて最初に
やるのは、身体を延ばすのではなく、なお一層身体を
丸めて、それから、前足、後ろ足と延ばしていき、やがて
背伸びするのだそうです。


動物の本能で、一番気持ちの良い方向へ、心地よい
方向へ身体を動かしそれから、徐々に元に戻して
いくのだそうです。


ところが、人間は頭で考えて、曲がっているものを
早く元に戻そうと、無理して反対の方向に戻してしまった
ために、ギックリ腰や寝違えなどを起こしてしまうようです。


動物は、自分が一番心地よい方向にまず身体を曲げて
それから、ゆっくり元に戻していく、人間は頭で考えて、
無理をして元に戻そうとして、身体を痛めるのだろうと。


この話を聞きながら思いました。

人間は中途半端な知恵が発達しているために身体も、
心も痛めているのではないか。


自然に心地よい方向へ身体も心も向かわせると、
多くの痛みや苦しみは起こってはこないのではないか。


人に親切にするのも、相手に先を譲るのも、やさしい
言葉をかけるのも、困っている人に手を貸すのも、
素直な気持ちで行えば良いのに、ついつい損だ得だ、
迷惑がられはしないか、自分とは関係ないとか、
小さな常識に縛られ、頭で考えて踏み出せないために、
充実感も喜びも味わえないでいるのではないかと思います。

自然に思いのままに行動すること、それが素直に出来る
ようにして頂くのがお念仏の働きなのでしょう。
人間同士で考えると、この人は自分と関係ある人ない人、
知っている人知らない人と、区別してしまうものですが、
仏さまの働きを味わえてくると、仏さまの思いに比べると、
人間の小さなとらわれの心が薄れてくるものです。


気持ちのよいことを、すっきりすることを、小さなことから
実践し、味わわせていただきたいものです。


南无阿弥陀仏を口にして、思いのままに生きていく、
そうすると、身体の歪みも心の歪みも緩和されて
いくのではないでしょうか。


小さな常識にとらわれて固まってしまったこの心を
ほぐしてくださるのが南无阿弥陀仏のお念仏です。


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。
次回は、1月30日に新しい内容に変わります。