第529回 お寺に参らぬと

平成15年 3月 13日〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。

こんな言葉が、佐賀地方の農村部では、言われて
いたといいます。


それは、「お寺に参らないものは、虫になる」と
いうことです。

お寺に参らぬ人が虫になる。
なんだか子供だましのような、迷信のように聞こえます。

でも、よく考えてみますと、農家の人にとっては、
台風や大雨など、人間の力ではどうする事も
出来ない災害に苦しんでいたのだろうと思います。

天気予報もない時代は、空を見て、言い伝えを
元に、風や雨を予想して、対策を練っていたのでしょう。


人間を越えた自然の恐ろしさに困り果てていたの
だと思います。


同じように、雑草や害虫も大問題だったと思います。
夏の暑い盛りに田圃に入って、雑草を抜く、気が
遠くなるきつい仕事だったと思います。

それとともに、農薬がなかった時代には、病害虫も
心配の種だったのでしょう。


折角育った稲に襲いかかり、またたくまに食いつくし、
収穫を駄目にしてしまう害虫も、農家の敵だった
でしょう。


用心して、いつもいつも注意して、被害が広がら
ないように、病害虫の駆除に神経を擦り減らして
いたのだと思います。


なんと厄介な虫だろう、なんで人間の邪魔をするのか。
困り者だ憎らしいと思っていたことでしょう。
雑草であれば抜き取る事も出来るが、害虫は
気づいたときにはもう遅いということも多かった
のだと思います。


稲を育てる人びとにとって、虫は害虫は、
邪魔者困り者、嫌われ者だったと思います。


 ところで、みんなが、お寺に参って、
お聴聞しているのに、自分は忙しい、
法話など関係ないと、自分の仕事に夢中に
なっている人は、嫌われていたのだと思います。


仏教とは、自分の真実の姿に気づかせて
いただくもの。

自己本位に生きている人は、きっと、将来、
嫌われ者となるぞ、お寺でお説教を聞け、
「法」に出会え、お念仏にであえ、そうすると
本当の幸せになるぞと、先輩は教えようと
されたのだろうと、思い当たりました。


仕事で忙しいその時でも、仏さまの働きを
聞かせて頂くことこそが、お念仏の生活こそ、
真実の喜びがあるのだという親心の言葉だった
だろうと思います。


そういう意味で、法座につかない人は、
お寺に参らぬ人は、虫になるぞということも、
まんざらウソではないようです。


毎月14日に、浄土真宗の常識を、基礎知識を
学んでいます。お忘れなくご出席ください。
お待ちしております。


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、3月20日に新しい内容に変わります。