第543回 長い長い間

 平成15年 6月19日〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。

毎月14日に、本堂に集まって、勉強会を開いていますが、
いま正信偈を勉強しています。
プリントを作って、それにそってのお話しをしていましたが、
同じ文字でも紙に印刷するのではなく、コンピュータから
直接スライドなどへ大きく映し出すことが出来る、
プロゼクターというものがあることを知りました。


同じことなら、大きな字で、それもTVのように動く文字や
絵を使った方が分かりやすかろうと、数カ月前から、
プロゼクターを使っての勉強会を始めて見ました。


長い文章も、一行ずつ大きく写し出されると、ついつい
読んでしまいますし、言葉だけで聞いているよりも、実際に
字をみると雰囲気も変わり、少しは分かりやすいのでは
ないかと、感じています。


これまでも、黒板を使って文字を書き、説明することは
行われていましたが、今度の方法は事前に内容を
コンピュータに打ち込んで置きますので、分量が格段に
違いますし、テンポが早くなり、若い方には受け入れ
られるのではないかと感じています。


 ところで、このプロゼクターで表示させるための
画面作りで、新たな発見がありました。正信偈の最初にある、
法蔵菩薩因位時、在世自在王仏所、覩見諸仏浄土因、
国土人天之善悪の四句のところですが、ここの意訳は
「法蔵比丘のいにしえに 世自在王のみもとにて 諸仏
浄土の因たずね 人天のよしあしみそなわし」とあります。


ここの所を説明するのに、法蔵菩薩が覩見された諸仏の
国は、210億という沢山な国だと大経にはあります。
その210億の数字を横書きにして出してみました。


漢字で書いていたときに気づきませんでしたが、
21の後に、〇がなんと九つもつくのです。


試しに、一年365日ですから、この210億を365で
割ってみました。

一日に一つの国を見たとしたらどのぐらいの時間が
かかるのかということです。


計算して見ると、なんと5753万年かかることになります。
神通力を得られた方ですから、もし一日に一万の国を
見られたとしても、5753年。


私たちの100年の寿命ではとてもおいつきません。

法蔵菩薩はその後、五劫の間、思惟してとあったり、
弥陀成仏のこのかたは今に十劫へたまえりなどと、
私たちは簡単に口にしていますが、とても想像出来ない
長い時間、人間の智慧の及ぶ所でない遠い昔からと
いうことが、語られています。

これは、時代が変わっても変わることのない、真理と
いうことをはっきりと、表現されたのではないかと思えます。


これまで、耳だけで聞いていたものを、実際に視覚的
にして、目で見てみると新たな発見があることに
気づきました。


南无阿弥陀仏は、この私に与えられた真理のことば、
人間をもっとも人間らしく生きるようにさせようとの仏様の
働きの言葉であると味わえてきました。


そのために、法蔵菩薩は想像もつかない長い間ご苦労
していただいたのだと。

私の知らないところで、私のために努力していただく方が
あったのだと。



妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。次回は、6月26日に新しい内容に変わります。