第547回 縁にふれれば

 平成15年 7月 17日〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。

悲しいつらいニュースが氾濫しています。
4歳の男の子が誘拐されて殺され、犯人は12歳の少年、
この春まで小学生だった児童が殺人を犯したということに
大人たちはショックを受けています。


可愛い幼い子供が、どうしてそんな大それたことをするのか、
親はどのような育て方をしたのかと、少年犯罪のために情報が
少なく、子育てをどうしていいのか不安な親が多いためか、
マスコミも騒いでいます。


ところで、子どもは本来純粋で悪を知らないのかと言えば、
そうとばかりは言えないようです。


昆虫などの首や羽を平気でねじ切ったり、お人形さんを
踏ん付けたり、犬や猫を思いきり叩いたり、平気に出来るのは
子どもです。


それを見たとき、大人たちが「虫さんが可哀想とか、ねこが
痛いだろうね」などと、昆虫や犬も猫も、共に生き物であることを
教えてきたものです。


戦前の話ですが、狼にさらわれた赤ちゃんが数年後発見されたところ、
人間ではなく狼と同じように吠え、同じように歩き、歯を剥き出して、
とても人間だとは思えなかったといいます。


人間は、独りでに人間になるのではなく、人間になるように
教育やしつけをして、はじめて人間になるのではないでしょうか。


親鸞聖人がお読みいただいたご和讚には、煩悩にまみれた
人間の心を、蛇やサソリのように毒を持つ存在だと表現して
頂いています。


歎異抄には、自分は人を殺すようなことは出来ないと思って
いても、縁に触れれば100人・1000人殺すこともありえるものだ。

とおっしゃっています。

自分は、良い心を持っていると思っていても、どうゆう行動を
とってしまうか分からない人間の本質を、はっきりと教えて
いただいています。


お念仏の教えは、こうした人間の本質に気づかせ、その私に
お念仏を与えて守り、導いてくださる阿弥陀さまの教えです。


南无阿弥陀仏のお念仏を口にし、南无阿弥陀仏を耳で
聞きながら、精一杯、この人生を歩ませていただく教えです。


南无阿弥陀仏のあるところ、どんな苦しい辛いことが起こっても、
力強く乗り越えていく力を与えられるという教えです。


家庭のお仏壇で、お墓でそしてお寺の本堂でいつでも
どこでも、南无阿弥陀仏を聞くことが、可愛いお孫さんたちを
人間らしく力つよく生きることが出来るように、導びいていただく
ことになるのではないでしょうか。


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、7月24日に新しい内容に変わります。