第637回 お念仏と長寿

 平成17年 4月7日〜


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。

今年の大河ドラマは義経を放送しています。
親鸞聖人の750回大遠忌のご消息を紹介していますが、
親鸞聖人がお生まれになったのは、1173年。


義経が、平泉に到着した年号が、1171年と出ていましたので、
平家全盛の時代に親鸞聖人は、お生まれになられたのだとお話しています。


そして、親鸞聖人が往生の素懐を遂げられた、90歳という年齢には、
皆さんから驚きの声が聞かれます。


そうお話しながら、気づいたことがあります。 
私どものお寺の法座や勉強会に参加される方が、かなりの高齢の方が
多いことです。


ことによると、お念仏の人は、お聴聞を重ねておいでの方は、長生きでは
ないかと思えます。


どうにかして調べる方法はないかと考えておりましたが、過去帳を
手掛かりにして、分析することを思いつきました。


平成元年から昨年までの記録から、二つのグループに分けてみました。
一つは、よく本堂でお話を聞いておられた方、婦人会や壮年会で、
組内の法座にも行っておいでの方々です。


もう一方は、お墓にはよくお参りになるものの、そのままお帰りになり、
どうしても本堂に座ることのなかった方々や、まったくお寺とは無縁で
あったと思える方々です。


二つのグループに分けて、平均の寿命を出してみますと、
お聴聞が苦手な方が、74、8歳。
よく法座に付かれて方が、84、5歳と、予想以上に開きがあることに
気づきました。


何度も計算をしてみますが、間違いなく、お聴聞されていた方々は、
およそ10年もの長寿であることが分かりました。


こんなに大きな差が出てくるのは、また、どうしてなのでしょうか。
それは、仏さまの話を聞いた人は、自己中心性に気づき、多くの人びと、
人間だけではなくあらゆるものに支えて生かされていることに気づかされて、
報恩と感謝の生きがい多い人生を送られているからだろうと思います。


この年齢の差は、あくまでも現時点でのこと、現在本堂でお話を聞いている
方々が、もっと長生きされていますので、この差はもっともっと広がっていくものと
思います。


皆さんもお念仏の人が近くにいらっしゃって、とても長生きであったことを
思いだされることと思います。


病院に行くのも大事なことですが、ただ行くだけで診察も受けずに
帰ってくるのでは、効果がないように、寺院に行ってもお墓参りだけで
帰っては効果が少ないようです。


ちゃんとお聴聞することは、心の健康のために、大事なことではないかと、
味わっています。


「南無阿弥陀仏」のお念仏が味わえるようになれば、人生はもっともっと充実し、
意味あるものに変わってきて、生きていることが、どんどんどんどん嬉しく
楽しくなって、寿命も延びてくるのだと思います。


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、4月14日に新しい内容に変わります。