第716回 み仏の影

 平成18年10月 12日〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。

こんな言葉に出合いました。

  み仏の影さまざまにあらわれぬ

       同朋知識ひとびとのうえ


 足利浄圓先生は、どんな方に対しても、どこか拝むような気持ちをもって
おられたということで、この歌をよく味わっておられたということです。


実のところはこの歌は、教えを受けた先生、臼杵祖山という方の作られた
歌だということですが、師と仰ぐ方の教えを生涯味わってこられたもの
だといいます。


私たちは、無意識に自分中心に生きています。自分にとって都合の
いい人がいい人で、都合の悪い人は悪い人と思って生活しています。


しかし、この私に都合の悪い人でも、お念仏の教えに出合うことの出来る
ご縁を結んでいただいた方こそが、いい人ではないかと思います。


そうゆう見方が出来ると、あの方もこの方も仏様が姿を変えて、この私が
目覚めるように、気づくように、精一杯に働いていただいている仏さま
なのではないかと、味わう事も出来るのではないかと思います。


さまざまな形で、この私の廻りで働いていただいている仏さまだと味わえると、
人生はまた大きな輝きを増すことでしょう。


親鸞聖人は、観経が説かれるご縁を作っていただいた
国王である父親を殺した阿闍世、そそのかした提婆、苦しみの中、
お釈迦さまに教えを請うた母親の韋提希、すべてが、仏がこの私のために、
それぞれの役を演じて、教えが説かれるご縁を作るために働いていただいた
方々であったとご和讚に読んでいただいています。


 ところで、スマップの草薙剛君が演じる自閉症の青年の物語、
「僕の歩く道」という番組が、10月10日水曜日の10時から始まりました。


子どもの頃からの脳の障害で、幼子のように純粋に生きる青年の物語です。

社会に中々受け入れられない悲しさがありますが、番組を見ていると忘れて
しまった人間の純粋さを思いださせてくれますし、その青年を支える
幼なじみのひとりの女性がとても輝いて見えてきます。


ここにも、み仏の影があらわれているように味わえました。

私の周りに気づかないだけで、仏さまはその姿を表して、働きかけて
いただいているのだと味わうことが出来れば、私の人生は、もっともっと
素晴らしく豊かなものとなることでしょう。


その仏さまのはたらきに、気づかせていただくのが南无阿弥陀仏の
お念仏の働きだと思います。


南无阿弥陀仏とともに、じっくりと味わさせていただきたいものです。

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。
次回は、10月19日に新しい内容に変わります。