第733回 青色青光

 
平成19年 2月 8日〜

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うっかりしていましたが、漫才の島田洋七さんの書いた、
「佐賀のがばいばあちゃん」が大変な人気だということです。


昨年、映画にもなり、今年は正月にテレビドラマにもなって、貧しくとも、
たくましく生きたおばあちゃんのことが、盛んに紹介されています。


 正月のテレビドラマを見て、この生き方は浄土真宗のおばあちゃんの
生き方によく似ていると思いつつ、ちゃんと調べずにいました。ふと、
総代会や壮年会でよくお会いする熱心な役員さんが、おばあちゃんと
同姓の徳永さんという方があり、ことによるとご親戚の方ではないかと
思いつつ、そのままになっていました。


佐賀には、巡番報恩講という行事があります。佐賀組の22のお寺が、
一年に二ケ寺づつ、交代で報恩講をお勤めする伝統です。


その巡番報恩講のこの春の当番が、その役員の方のお寺、養福寺さんです。

ご住職にお会いした時に、あのお祖母ちゃんは、よくお聴聞されていた方
だったでしょうねと、聞きましたら、法座があると演台の一番近くに座って、
熱心にお聴聞されていたとのお答えでした。


ご自分のお寺だけではなく、巡番報恩講と聞けば、どこのお寺にも
お参りになっていたということも聞きました。私共のお寺にも、きっと
お参りいただいていたのだろうと、改めて身近に感じさせていただきました。


お祖母ちゃんの言葉として、「頭のいい人も、頭が悪い人も、金持ちも貧乏も、
五〇年経てば、みんな五〇歳になる、心配することはない」というのがあります。


これは、仏説阿弥陀経にある、『青い花は青い光を、黄色の花は黄色の光を、
赤い花は赤い光を、白い花は白い光を放ち、いずれも美しく、その香りは気高く
清らかである。』との味わいを分かりやすくお孫さんに伝えたようにも思えます。


通信簿の評価が、体育を除いて、1とか2かが多くて、おばあちゃんに謝ると、
「人間は総合力が大事、0でなければ、1でも2でも足せば、みんな5になる」との
言葉は、結果や評価だけにこだわらずに、やるべきことをちゃんとやることが
大事という、これも、お念仏の人の生き方です。


 おばあちゃんは、朝四時から早起きして、学校のお掃除の仕事をしておられた
ようですが、出来るだけ楽をして、報酬が多いことばかりを考える人が多い中で、
誰もが嫌がる仕事であっても、自分が出来ることならやらせていただこうという
生き方は、とても有り難いことです。


「人に気づかれないのが本当の優しさ、本当の親切」というお祖母ちゃんの言葉に、
私の周りにもこうした有り難い人びとが、沢山いらっしゃるだろうに、気づかないで
いるだけではないかとつくづく思います。


阿弥陀さまのお話しを繰り返し聞かせていただくことで、多くの人びとの親切や、
熱い想いを少しづつ、感じ味わうことができるように転じられていくのだと思います。

気づいてみれば、私のすぐ近くで、みんな光り輝いておられるのに、気づかずに
いるのがこの私でした、
お恥ずかしいことですと、お念仏させていただいています。


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次回は、2月15日に新しい内容に変わります。