第795回 本当に可愛いのなら

 
平成20年 4月17日〜

妙念寺電話サービス お電話ありがとうございました。

毎月 一度 ご家庭を訪問する 月忌というお参りがあります。

お寺のお世話をよくしていただいた方が 亡くなられて 残された奥様が 
迎えていただきますが その中で このところ
 いろいろな病気で 何度も入院され 
周りは 寝たきりになるのではないかと
 大変心配していましたが 
また元気になられた方があります。


ご主人が 健在な時には ほとんどお寺には おいでいただかなかったものの
悲しいご縁で 時々は 顔を見せていただくようになりました。

特に 降誕会の時には 持ち歌のテープを持参いただき テンポは はずれるものの
賑わわしていただきます。

朝お参りに お伺いし お部屋の横を通って ご挨拶をしながら 仏間に入り
お勤めをはじめても ここ23回 なかなか後ろに座っていただけない様子。

お勤めが終わる頃になって やっと 仏間へと 出てこられて 最後だけ
お勤めをご一緒していただけます。

思ってはいけないことでしょうが ついつい 思いました。
あれほど お寺のお世話をいただいたのも 残された妻や子供が可愛いために
何とか 教えに出遇ってほしいとの願いだったでしょうに、
どうも お子様も奥様も なかなかご縁がいただけない様子。

住職の私は どうすればいいのでしょうか
お浄土で 仏と同じさとりを得られた方として どうすればよいのか教えてください。

また直接 奥さまやお子さんに働きかけてください ご縁を作ってくださいと 
お勤めをしながら 呼びかけてしまいました。

自動車の運転を自分ではなさらない世代ですので ご法座をご案内しても
車で送ってもらうのが たいへん お寺が遠い 足が痛いのと いろいろと 
言いわけをなさいます。

そのくせ 趣味の会や 旅行となると 楽しみに出かけられたことを
先ほど 言い訳したことも 忘れて 楽しく話してくださいます。

お法のお話をしても 世間の価値観に置き換えられて やっぱり健康第一ですね
健康でなければと。
どうも わが身を楽しませることこそ 生きる意味であるように
話をまとめてしまわれます。

ご主人の思い出の中に よく叩かれていたということが ありますが
言い訳や 親戚や近所の噂話、悪口を くどくどとおっしゃるたびに
ごもっとも これなら 手が出てしまっても しかたがないと 何度も感じてしまいます。

これまでの様々なご自分の病気や お子様方の病気 入院 怪我や交通事故など
数えきれない苦しい辛いご縁も なかなか仏縁には つながらなかったようです。

どうか ご自分のお子様や 
奥さまが可愛いなら 本当の喜び 幸せに 出遇えるように 働きかけてくださいと。

さっそく始まった 奥さまの世間話を途中で中断して  今日も 帰ってきました。 

世間の価値観こそが すべてであり 自分ほど世の中のことが 分かっている者はいない
と 思い込んでおられる方には、 そして 自分ほどお寺のこともちゃんとしていると

思い込んでおられる方には なかなかご縁というものは 花ひらくものではないなあと

  信楽受持すること、はなはだもつて難し。難のなかの難これに過ぎたる
  はなし。・・・・であるとつくづく感じています。


お念仏に出遇えるということは 本当にまれなること 有難いことだと 感じます。
そして 一番大切な人に この有難い教えが伝わるように 生きている間から 
心がけておきたいものだと感じさせられています。


妙念寺電話サービス お電話ありがとうございました。
次回は 24日に新しい内容に変わります。

         


           私も一言(伝言板)