第811回 功徳の宝海

 平成20年 8月7日〜

妙念寺電話サービス お電話ありがとうございます。

ところで 親鸞聖人が 詠んでいただいた こんなご和讚があります。

 本願力にあひぬれば むなしくすぐるひとぞなき
   
 功徳の宝海みちみちて 煩悩の濁水へだてなし
  (高僧和讃、註釈版580頁) 

 現代語訳

   本願のはたらきにあったならば、もはやいたずらに迷いの生死を過ごす人はない。
  宝の海のような功徳が身に満ちみちて、私たちの煩悩の濁水も往生成仏の妨げになることはない。

親鸞聖人が まとめられた 高僧和讚の 天親讃です。
本願寺派では お葬式の時に この和讚に節をつけて お勤めします。

  全体の味わい
 
   本願力を信ずる者は、南無阿弥陀仏の広大な功徳を恵まれるから、煩悩を抱えながらも、
  もはや再び迷いの生死を繰り返すことがないと詠われています。
  とくに「むなしくすぐるひとぞなき」の意を中心として、本願力を信ずる者の人生は、
  真実に裏づけられた浄土への確かな歩みとなることを、ともに喜ばせていただきたいものです。


これは

 本願力 お念仏にであった人は 決して空しい人生を送ることはない。
悲しかったり悔しかったり 腹が立ったり 煩悩一杯のこの私が その煩悩をなくすことが
できなくても 生きがいある充実した 人生を送ることができるのです。
そして やがて いのち終わった時、お浄土に生まれ、仏のさとりを 開くことができる 
お浄土で仏となると 仏として すべての衆生を救うはたらきが出来る 還相回向の働きが
できるのだと。


 という ことでしょう。

ですから お葬式の時には 亡くなった方が 還相の働きの最初として
この和讚を通して 参列された人々すべてに お念仏に出会って、
意義ある人生を送ってくれとの 呼びかけとして お勤めするのでしょう。

ところで 親鸞聖人の教行信証の 教の巻きの 最初には


   つつしんで浄土真宗を案ずるに、二種の回向あり、一つには往相、二つには
   還相なり。往相の回向について 真実の教行信証あり。・・・・・


現代語訳では 

    つつしんで、浄土真宗すなわち浄土真実の法をうかがうと、如来より二種の相が
  回向されるのである。一つには、わたしたちが浄土に往生し成仏するという

   往相が回向されるのであり、二つには、さらに迷いの世界に還って衆生を救うという
  還相が回向されるのである。・・・・


そして このたび 新しく制定された 浄土真宗の教章では

  阿弥陀如来の本願力によって信心をめぐまれ、念仏を申す人生を歩み、
  この世の縁が尽きるとき浄土に生まれて仏となり、迷いの世に還って
  人々を教化する。


とあります。

  利他のはたらき 徹底した 救済ができる 仏になる そのことが
  人間として 生まれた目的であり、そのためにお念仏に出会うことではないかと 
   思われてなりません。

このところ 有難いことが続きます。
佐賀のお寺の行事の打ち合わせに出かけましたが、最初のお寺に 次ぎにいく予定のご住職が
ちょうど訪ねて来られ一度で話が終わったり、 お勤めの最中 ふと思い出した人が お寺に帰ると
来ておられたり、先手先手に 手配していただいている感じがして なりません。


守って 見守って 導いてくださっているのだと 味わえる実感できる 有難い毎日です。
妙念寺電話サービス お電話ありがとうございました。
次回は、8月14日に 新しい内容に変わります。  

         


           私も一言(伝言板)