第８６９回　一歩　一歩　〜イチローと　自灯明　法灯明　〜

　平成２１年　９月１７日〜

妙念寺　電話サービス　お電話ありがとうございます。

一本　一本　ヒットを重ねてきて　９年間　毎年　２００本の安打という
大リーグ　新記録を達成した　イチロー選手は　こんなことを　言っていました。

打者は　普通　打率を　気にし　また問題にする。
ところが　打率は　一打席ずつ　上がったり下がったりするもの。
上がれば　うれしいが　下がれば　そのことが　気になってしまう。

すると　自分を無くしていって　打席に立つことが苦しく怖くなってくる
ところが　安打数は　決して減っていかない。一本一本増えていくだけ。

そこで　自分は　打率ではなく　安打数を目標にして　試合に臨むように
しているという　趣旨の発言です。

　絶えず身体を鍛え　ビデオ映像で　自分のホームを確認し　研究し
どんなボールであっても　飛びついていって　バットに当てていく。

内野安打が　多いのが　また特徴といいますが　遠くに打つ球は
力いっぱい打ち、そうでない球は　そっと当てて　打球を殺して
遅くしてやり、自分の足の速さを生かして　一塁にたどりつき　セーフにする。

ちゃんと計算した上での　内野安打であるとも　力説していました。
何が何でも　力の限り打つのではなく　最も適した打ち方をすることで
一本一本　ヒットが生まれてくるのだということです。

　　巡番報恩講の法話で　こんなことを聞きました。
お勤めをして　ご法話をし　法要を終わろうとしたところ　質問があった。
いろいろ教えていただきましたが　一言で言うと　仏教とは
どんな教えなんですかという　質問です。

多くの言葉を使えば　少しはお話できるものの　一言でといわれると
これがなかなか難しいものです。

よくよく考えた結果　お釈迦さまが　入滅される前に　阿難尊者に
「自らをともしびとし、自らをよりどころとして、他をよりどころとしては
　ならない。法をともしびとし、法をよりどころとして、他をよりどころとしては
　ならない。」　という　自灯明　法灯明の　言葉です。

これは　自分を大切にして　自分を信じて　自分の力を十分に発揮して
自分らしく　法　真理に従って　どこでも　いつでも変わらない　真理を元に
生きていきなさい。という　意味ではないかと。

これが　仏教というものではないかと。

親鸞聖人は　浄土三部経にある　お念仏の教えを元に　南无阿弥陀仏を
信じ　口にして　如来大悲の恩徳を味わいながら　精一杯生きていきますと
教えていただいています。

イチロー選手の　生き方も　この自灯明　法灯明の　教えに近い　選手生活
ではないかと　味わっています。

記録をつくるのが目標ではなく　自分で出来ることを　自分の仕事を
自分の道を　一歩一歩　一つ一つ　成し遂げていく。

それが　仏教の教えにも　通じて言えるのではないでしょうか。

　では　はたして　私は　何をすれば　いいのか　何を目標にすればいいのか
お念仏を　口にしながら　お浄土の方向へ　一歩一歩と
身近に　起きた問題へ　真摯に立ち向かい　逃げずに　選ばず　
都合のいいことも悪いことも　ようこそ　ようこそと　向き合って　
南无阿弥陀仏　南无阿弥陀仏と口にしながら
歩ませていただきたいものです。

妙念寺電話サービス　お電話ありがとうございました。
次回は　９月２４日に新しい内容になります。

　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　私も一言（伝言板）