第992回 信心をいただくと  ~いつも阿弥陀さまと一緒~

 平成24年 1月26日~

ご本山の通夜布教を 記録しようと 小型のICレコーダーを求めました。
録音できる容量が余りにも多いので、これまでテープで持っているご法話を
収録し始めました。
その中に 妙好人の和泉の吉兵衛さんを三宮義信先生が語って頂いたものに、
こんなところがありました。


親鸞聖人は 信心に10通りのご利益を数え上げておられます。

これを、三つほどにすべてくくることが出来ます。

一つには 信心をいただくと 阿弥陀さまが始終自分を守って
いてくださるとの確信が沸き上がりますから,嬉しいにつけ悲しいにつけ、
仏さまに感謝の心がわいてきます。
従って日常の生活が愉快になってきます。


第二には 信心を得た人は 先々に大きな期待がありますから
失敗があっても 立ち直ることができます。
仏さまから受けた大きなご恩に報いるために しっかり働かねばならない
という活気のある生活になります。

第三に、信心を得た人は 仏さまとともに起き 仏さまとともに寝る

という思いがありますから 自分一人ぼっちの生活ではない 
目には見えないがいつも付き守ってくださる仏さまがあると
自らをたしなめながら 蔭 日向なく生きていくことが出来ます。
ですから 仏さまに取り計らわれた生活 仏さまによって築き上げられた
人生です。


これが信心の利益といえましょう。

ある人が 吉兵衛さんに 息子の金遣いのあらいことを訴えました。
吉兵衛さんは その人に 息子さんに譲ろうと思ってあんたは財産を

こしらえたんでしょう。

だから 息子さんが使ってくれたら本望でしょうがと 言いました。
そして今度は 金遣いの荒い息子に向かって あんたは年が若いから
お金を使いたいんでしょう。

お使いになるのは 結構ですが しかし金を使うときに この金は
親父さんが 汗と涙の中から こしらえてくれた金だと思いながら
使いなさい。
これだけを頼んでおきますよと、言いました。

吉兵衛さんのところには このような相談事がいつもあったようです。
ところで いつもこんな難しいことを言っていたのかというとそうでも
ありません。

自分の家の台所で 火鉢の前に座って 隣のうちをみながら
お隣の障子は破れ放題 張り替えたら良いのにと笑っている人がいる
その人は 隣の家をどこから見ているかと言うと自分の家の障子の破れから
覗いていると ユーモアに富んだことも言っています。

人の振り見て我が振り直せ,人の欠点ばかり目につけて,自分のことは
忘れている そんな自分をたしなめなさいということが言いたかったのでしょう。

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 本堂や月忌でお会いする人がいつも愉快で 活気があり、蔭 日向なく
生きておられるのを味わい

信心のご利益であると 有り難く感じています。

どうぞ、仏さまによって築き上げられた人生を、精一杯生かさせていただきたいものです。
妙念寺電話サービス 次回は 2月2日に新しい内容に変わります



         


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