第973回 痛手を受けて 〜白アリを発見して〜

 平成23年 9月15日〜

怖いものとして 地震 雷 火事 親父という言葉があります。
親父の権威が落ちて、今年は 津波が 当てはまるのかもしれません。

お寺も、地震対策や 避雷針、そして火災保険や地震保険をかけて備えて

いるものの、思わぬ驚異に少少 慌てています。

本堂のお内陣は 一段高くなっており、黒の漆塗りの大きな敷板が正面にはあります。
住職が お勤めする後 横のあたりが、ポッコリと盛り上がっており、すこし

外してみると なんと白い虫の姿がありました。

漆の下の材木は 食い荒らされてボロボロいなっており、早速

調べてもらったら 白アリであることが分かりました。
真っ白なので 大和白アリだろうと 言うことです。

数年間がかりで 食べているのだそうですが、漆塗りは 表面からは

よく見えず、よく発見出来たものだ、良かったとしか言いようがありません。

総代さんたちにも 集まってもらって 抜本的な駆除と、被害箇所を
切り取って取り替えることになりそうです。

 インターネットで 調べてみると、地球上には 白アリの種類は

2000種を超すとも書かれており、人間よりずっと古く、この地球上に
現れた生き物のようです。

後から生まれてきた人間からは、害虫としてやっかいがられていますが、
自然の中では 枯れ木や落ち葉を 食べて自然へ帰す優れた

はたらきをしていてくれるもののようです。

人間の方が、勝手に建物を建てておいて 白アリが発生し被害にあった

などと、実は 申し訳ないことを言っているのかもしれません。

白アリたちは、自分の仲間とともに 精一杯自分の勤めを果たしている

だけなのに 邪魔者として、私たちは駆除という名の、殺生をして
いるのでしょう。

自分にとって都合の良い者だけを 良い者といい、自分に不都合なものは

悪者としている自分に気づき 申し訳なく感じながらも
しかし、こともあろうに 本堂が被害にあったことに かなりショックを
受けています。

原因は 20年ほど前 本堂横を改築した時に、基礎を作るための

コンクリート枠が そのままで、外されず置かれていたところに、
住み着いたようです。

今でこそ、床下は きれいに掃除されるものですが、当時の頭領には 
その感覚が なかったのではないかと、いまは亡き頭領の顔とともに
思い出しています。

被害を予防する薬の効果は 5年ということ、調査してくれた業者の人は、
7から8年前に 一回見積もりを出しましたが、そのときは 
ご縁がありませんでしたとのこと、きっと金額の大きさに驚いて

断念してしまっていたようです。

痛手を被って始めて気づくことが あまりにも多いものです。


同じように

南無阿弥陀仏と いつも呼びかけて頂いているのに、今は 大丈夫 忙しい
そのうちそのうちと 聞き流していることが多いのではないか。
痛手を被る前に どうか お念仏に出会ってほしいと 呼びかけを素直に

受け取って、南無阿弥陀仏を、生活の中心に置かせていただきたいものです。

妙念寺電話サービス お電話ありがとうございました。
次回は、922日に新しい内容に変わります。


         


           私も一言(伝言板)