E女性ホルモンと乳癌

 乳癌は他の加齢に伴って増加する癌と違い、比較的若い方にも多いのが特徴です。元々欧米人よりはるかに少なかったのですが、最近の統計では乳癌による死亡は欧米人では減少してきており、日本人は増加傾向であるため差が小さくなってきています。そんな中、昨年米国における大規模臨床試験の結果、ホルモン補充療法では心筋梗塞の予防ができなかったことだけでなく、乳癌の増加が報告されました。骨折や大腸癌の減少は認められたのですが、医療関係者はもちろん患者さんにも大きなショックを与えた報道でした。そこで雑誌(JAMA)を読んでみると、対象の年齢が高く、肥満者が多いことに気付きました。また数値的には冠動脈疾患、脳卒中などの増加はわずかですし、乳癌についても1万人当たり年間30人から38人に増加するのことがわかりました。このことを日本人に当てはめ約1/3の発症とすると年間10人から12,6人に増えることになります。一方、米国のFDAは今年2月にホルモン補充療法は更年期障害の治療以外では他の治療法を選択するよう注意を出しています。乳癌はホルモン補充療法の期間が長くなると発症が増加することから、更年期の一時期に治療する位が安全という意見と日本人では少ないので注意すれば期間は少し長くなってもいいのではないかとの意見があります。ところで、閉経後では肥満による高エストロゲンと乳癌の発症が関係あると考えられています。貴女に出来ることは肥満の解消ではないかと思いますがいかがでしょう?