「はなまつり」 佐賀組 正蓮寺 藤木徳仁師

暑さ寒さも彼岸までとは申しますが、時折、初夏を思わせる陽気も感じられるようになりました。去る4月8日はお釈迦様の誕生日「はなまつり」でありました。はなまつりは、お釈迦様がルンビニの花園でお生まれになったことから、誕生仏を花で飾り、天から甘い雨が降り注いだところから、甘茶をそのお体におかけしてお祝いをいたします。

お釈迦様は、お生まれになってすぐに7歩あゆまれ、「天上天下唯我独尊」「世界中で一番尊いのは私です」とおっしゃられたと言われています。このことはお釈迦様ご自身がご自分のことをおっしゃられたのではなく、私たちを代表して、「私といういのちはこの広い世の中で私しかありませんよ」「みんながそれぞれに尊い一つきりのいのちを戴いて生きているのですよ」と、そのいのちの尊さを宣言し、教えて下さったのでした。

ですから、この世の中で誰のいのちが大切で、誰のいのちが大切でない、さらには死んでいいいのちなどこの世の中に一つもない、みんなそれぞれが、それぞれに支えあって生きているということなのです。

考えてみると、その何より尊いはずのいのちが奪われ、傷つけあっている一番の現実は戦争というものではないでしょうか。敵と味方に分かれ、互いに相手を殺しています。死んでいい、死ななければならないと、現在も科学の最先端技術を駆使してその争いが続けられています。

この現実に何も成す術のない私でありますが、より多くの方がこのお釈迦様の教えに耳を傾けて下さり、一日も早く安らかな社会になることを願うばかりです。

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