「お盆を迎えて」 佐賀組 正蓮寺 藤木徳仁師

夏休みに入り、厳しい暑さの中、蝉の声とともにプールなどでは子どもたちの元気な歓声が聞こえるようになりました。この時期になると各家々ではそろそろお盆の準備が気にかかるようになり、特に初盆をお迎えになるご家庭では、ご親戚をお迎えする準備から、お仏壇をお飾りする準備などお寺への問い合わせも増えてまいります。

お盆は、お釈迦様のお弟子であった目連尊者の物語にならって、昔から一般的に亡くなられた方が、8月13日(地方によっては7月13日)懐かしい我が家に戻ってみえて、8月15日(地方によっては7月15日)にまた帰っていかれるということで、その間仏前への様々なお供え物をし、親戚一同が集まって僧侶と共にお経を読み、その三日間を亡くなられた方と共に過ごすといったところでしょう。

そこで浄土真宗では亡くなられた方が「行ったり来たりされる」ということは、その教えの中にはありませんが、世間でのこの習慣を大切に受けとめ仏縁を結ぶ絶好の機会ととらえて様々なかたちでお仏事が務められています。

今、社会では連日痛ましい事件や事故、自然災害、あるいは戦争やテロの脅威が他人事ではないといった状況が生まれていますが、お釈迦様はご自分が亡くなられた後、時代の経過と共に仏様の教えが薄らいで行き、それにともなって、人の寿命が短くなる、命が小さくなると説かれています。

今、お寺への法座等への参詣、お聴聞の方が少なくなっています。様々な原因が考えられますが、お釈迦様の時代から遠く3000年あまりを過ぎた現在、正しい仏様の教えに耳を傾けようと思われる方が減少していることと、この大きな社会不安を抱えた現代社会の状況をつくっているものが全く無関係とは言えないように思います。

このお盆、帰ってこられた懐かしいみなさんはたくさんの持ってまたそれぞれ都会へと戻っていかれることでしょう。田舎での楽しい思い出と共におじいさんも、おばあさんも喜ばれたお念仏のこころをぜひ持ち帰ってもらいたいものです。

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