「幸せ」      藤津西組 證誠寺 橋本 教宣

 お釈迦さまは、人生は苦なりと教えてくださいました。
つまり、人生は思うようにならない。

生まれた所、生まれた時代、私を生み育ててくれた父や母までも、全てが深い深い不思議なご縁をいただいてのことであります。その中に、すでに老病死は、私の足元に迫っております。

 生まれたばかりの赤ちゃんも一日一日、成長しているかのように見えますが、限りなくお猿さんに近い顔をした、真っ赤な顔をした赤ちゃんも、四ヶ月位すぎますと肌は白くなって可愛い可愛い赤ちゃんの顔に変わるのです。

赤ちゃんの様子が一日一日たつうちに、若くなったということは、聞いたことはないでしょう。

赤ちゃんは、病気もします。健康なときも、病気になる可能性は沢山あるのです。

病老死は、赤ちゃんのときから、すでに私の足元に迫っております。

諸行無常のことわりは、単に、あらゆるものが移り変わるということではなくて、お釈迦さまが『大無量寿経』の中に、老病死を見て非常を悟りと説いてくださってありますように常に若さと健康は続かないということです。

年を重ねてから老化現象がすすみ、病気になることではなく、すでに、生まれたときから、老病死は私の足元に迫っていることに気づかせていただきましょう。

 鈴木章子(すずきあやこ)さんの『癌告知のあとで』の本の中に、「幸せ」というタイトルの詩がありましたので紹介します。

  幸せ
しあわせって 欲ばりすぎるとにげてしまうのですね
追いかけて 自分でつかむものと思っていましたのに・・・・

しあわせって いただくものでしたのね 

少しずつ いただいて 少しずつわけあうことが たいせつなことだったのですね

幸せは つかむものではなくて 

幸せは、いただいて 少しずつ わけあうことの尊さを教えてくださってあるような思いがいたします。

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