「十方衆生のこころ」      北山組 延覚寺 藤野真也

 最近、うちの父がある方から、犬も人間に生まれ変わりますかと質問を受けたそうです。

その時、父は、人間にはなるかわからないが、仏様にはなっていくでしょうねと答えたそうです。

確かに一切衆生悉有仏性という言葉がありますから、理にかなった答えだと思います。また、私達の礼拝する阿弥陀様の願いの一番大事だとされる、十八願には、十方衆生を浄土に生まれさせたいと誓ってあります。

つまり、生きとし生けるものすべてと考えると、犬や虫でさえその願いの中に含まれるのではないでしょうか。

事実、私も家の犬をかわいがりながら、「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、あんたよくうちに来たね」と云うことがよくあります。

人間だけが、阿弥陀様の願いの中にいるのではない思うからです。

どんな人にも仏様の願いがかけられている。そう思うと、私の命がかがやいてきます。
人と自分を比べることは、人間誰でもあることですが、私は、最近、人と比べることがむなしいことだと思うようになりました。

私の友人の方がある時、私に話してくれたことですが、ある時、数人で世間話をしていた時に、「うちの家も色々あったけど、どこかの家は○○だったから、良いと思わないとね」と、誰がなにげなくいわれたことが、自分の知り合いの家族にあてはまったものですから、非常に悲しくなり、傷つきましたと話してくださいました。
私もドキッとさせられる話でした。
誰だって違いはあると思いますが、はたして人と自分の違いの中に幸せというものがあるでしょうか。

阿弥陀様はむしろそんな見方しかできない私達を悲しんでおられるのだと思います。

十方衆生の生きとし生けるものにかけられた願い、その中で私達も、少しでも阿弥陀様の願いのように命を平等に見ることのできる人生を歩むことができたらと思うのです。

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