多良組 正恩寺   合浦唯信

 

 先日、私の子供が通っている小学校で運動会がありました。当日は晴天に恵まれ、子供たちの頑張って いる姿や応援する大きな声が入り交じり盛り上がったことでした。

 さて、運動会には様々な競技があります。徒競争や組体操、網引きや玉入れ。

その中でもやはり花形レ ―スは組対抗リレーではないでしようか。

この小学校では運動会を締めくくる最後のレースです。

青組がんばれー!黄組がんばれー!赤組負けるな!!

 子供たちが一生懸命頑張り、パトンをつないでいく姿に応援する方も熱がこもります。一番盛り上がる レースです。

 親逹はその姿を応援しながらビデオ撮影する事も忘れません。我先にゴール付近の撮影しやすい場所へ 向かいます。

 その中の一人に私の友人がいました。聞けば、今回の組対抗リレーで息子がアンカーをつとめるとのこと。不安な気持ちからでしょうか、「あの子は根性がないからねえ」「抜かれるんじゃないかなぁと 弱気な発言や憎まれ口をたたいています。

そうこう話しているうちに、組対抗リレーが始まりました。今日一番の歓声の中、リレーはバトンが繋 がれていきます。

 青組がんばれー!黄組がんばれー!赤組負けるな!!

そしていよいよ、アンカーであるその友人の子にバトンが渡りました。

なんと、一番先頭でバトンがま わってきました。それからの一周、友人は大絶叫です。がんばれー!まけるなー!

 ビデオを撮っているはずですが、おそらくちゃんと撮れてないことでしょう。

さて、この運動会の最後、組み対抗リレーの一着のゴールテープを切ったのは、その友人の子供でした。 さっきまで弱気な発言や憎まれ口をたたいていたのが、?し涙で顔をくしゃくしゃにして、大喜びです子供も一着でゴ一ルテープを切ったのは嬉しいことでしょう。

 でもそれ以上に喜んでくださる方がいら っしゃいました。子供の健闘をたたえ、感涙にむせぶ姿に親心を見せていただきました。

 坂村真民さんという詩人の『ねがい』という詩があります,(明治42年熊本県生)

見えない根たちの ねがいがこもって あのような 美しい花となるのだ

とあります。

花が咲くためには、目に見えないたくさんの根が、一年がかりで水を運び栄養を届けてくれます。たった一つの花を咲かせるために、たくさんの「ねがいがはたらいているのです。

 私が今ここに生きているということは、この私にたくさんの願いがかかっているということなのです。   

 たとえ私が気付こうが気付くまいが、関係なし、一方通行のお働きです。

その上、あなたの喜びはそれ以上に私の喜び、あなたの悲しみ●苦しみはそれ以上に私の悲しみ苦しみ、 とおっしゃって下さる方が居て下さるのはどれだけ心強いことでしょう。

 十方微塵世界の 念仏の衆生をみそなはし

擠取して捨てざれば 阿弥陀となづけたてまつる(註釈版聖典571ページ)

 私があちらこちらへ右往左往してもほっておかない、それどころか、あなたがあなたがとお働き続け下 さる親心。私の為に共に涙を流してくださる方がいらっしゃる。

お陰お陰とお念仏させていただきましょう。

南无阿弥陀仏 南无阿弥陀仏


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