「揺るぎないお慈悲・・・」  藤津西組 専立寺 佐藤隆生

 

 皆様ようこそのお聴聞です。

 私たちのご本山(西本願寺)では今年六月六日に法統継承式というのが行われ、新しいご門主様がご就任なされました。

私も組内の住職様方とお参りさせていただきました。

ご本山の近くまで行きますと沢山の方々が本願寺へ向かっておられ参詣されていました。

後日聞きますと何と八千人余りの方が参拝とのこと、すごいの一言です。

継承式の前日には前ご門主様から「退任に際しての消息」を当日には新ご門主様が「法統継承に際しての消息」お手紙をそれぞれ発布されました。

それぞれのお立場での思いを表され、御開山さま(親鸞さま)のご出世から歴代のお方がたを想い感慨深いご縁でございました。とりわけそのお手紙の中で印象深かったお言葉は、前門主様の最後のお言葉です。それは「阿弥陀如来の揺るぎない本願力の中」というお言葉でした。

如来様は、この世の移り変わりのなかで、迷いを重ねてきた私(凡夫)であると見抜かれます。

如来さまの私をご心配下さるお慈悲は揺るぎないお心と受け取らせていただきます。

 二年ほどまえ、前住職である私の父は、お浄土に参りました。

私の寺の境内の山際の隅に「茗荷」(みょうが)が生えています。

父は生前よくこの季節になると朝早く起きてその茗荷をとってきては好きな「冷やしソーメン」に添えて食べていました。これは格別に美味しいのです!昔父は頑固で厳しく私もよく厳しく言われたものでした。晩年は大らかで「にこにこ」とよく笑っていました。

今更ながら、私を心配してくれていたんだなあと感じるようになりました。

御開山親鸞さまがうたわれます。

   十方諸有の衆生は

   阿弥陀至徳の御名をきき

   真実信心いたりなば

   おほきに所聞を慶喜せん

父が私に寄せてくれた思いを通して、如来さまのお心を想いただお念仏申すばかりです。

また、揺らいでばかりいるこの私を、決して揺らぐことのない本願の中に生かされていることを慶ぶばかりです。

南無阿弥陀仏・南無阿弥陀仏

 

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