佐賀教区 松浦組 光雲寺前住職 藤谷 孝之(こうし)

 

 

 宮城 顕(しずか)先生の著『後生の一大事』の中に、

よく人間は、万物の霊長だというような言い方をしますが、実は人間は生涯、生き方に迷う存在なのです。

 仏教には業力不思議(ごうりきふしぎ)という言葉があります。
『業』という言葉の一番のもとは、
行為するということですが、
この場合は「生きる」という意味に受け取ってよいかと思いますが、
つまり、それぞれ生命(いのち)あるものは、それぞれの生き方を
ちゃんと身に受けているということです。

 今の言菜でいえば、遺伝という事になるかもしれませんが,

亀の子どもは、卵から生まれると、海の中に入って行く。

蜘蛛は誰に習ったわけでもないけれども、合理的な張り方で巣を張り、

は蟻で見事な巣を掘ってゆく

そういう生き方をちゃんと身につけている不思議、

これを「業力不思議と言うわけです。

 ところが考えてみると人間は生き方が定まらない動物なのです。
人間は,万物の霊長どころか一番劣った動物なのでしょう。
ただ、生き方が定まらないからこそ、私達は迷い、生き方に悩み、
そして不安を感じるのです。

 有名な映画俳優だった、熨q健さんは、昨年1110日、83才の生涯でした。

座右の言葉に、『往く道は 精進にして 忍びて終わり 悔いなし』
と、あつたそうです。

熨q健さんの、静かな心境が、伝わってくると、報道されていました。
『大無量寿経』の讃歌である讃佛偈の中の、「我行精進忍終不悔
(がぎょうしょうじんにんじゅうふけ)で、あります。

 『後生の一大事』とは、
み仏の国、お浄土に、生まれさせていただく事を、心にかけて、
お念仏の生活で、強く明るく、生き抜きたいものです

 

                                      

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