南水組 妙光寺     藤山 正道

 世界保健機関(WHO)が2016年5月19日(読売新聞)に発表した「世界保健統計」で、

2015年の日本人の平均寿命は83・7歳、日本人女性の平均寿命は86・8歳、男性は80・5歳であった。

 毎回この統計を知ると疑問が起きる、何故?男性より女性の方が平均寿命が長いのか?色々調べてみると@ホルモンの働き(女性ホルモンには、血圧を下げる効果があるため、命にかかわるような重大な病気にかかりにくい)A基礎代謝が低い(女性の方が男性より少ないエネルギーで生きていけるため、環境の変化に適応しやすい)B健康状態を気にする(女性の方が医療機関を受診する頻度が高く、栄養バランスに注意したり、アルコールの摂取が少ない)と、大まかにこの3つの説が有力であった。


 その他の説に、女性はよく涙を流すからとあった。なるほど昔から男性は、幼少時から「男のくせにめそめそ泣くな」などと言われて育ち、泣くことを抑制されてきた。そのためストレスを溜め込みやすく、女性よりも早く亡くなるのだという。この面白い原因もなんとなく納得がいく。

 先日、お同行から「昔の家には1人で泣ける場所が2カ所あった。1つはお仏壇の前、2つ目にはトイレ」と聞いた。

 トイレは今でも泣けるが、お仏壇の前となると今ではそうそう泣く人も減っているのではないだろうか?それは、家族構成、住宅事情、賃貸住まいの増加、価格的に厳しいなどの理由で、仏間が減少し、お仏壇自体を安置する家が減少しているからだ。

 昔、お仏壇は家の中心であった。また、朝夕お仏壇の前に座りお勤めすることが1日の始まりであり終りであった。

 それは、私たちがお仏壇を通してはじめて浄土を想い、浄土に触れさせていただくことができるからだ。そして、お仏壇の前に座りお勤めするということは、ご本尊である阿弥陀さまや浄土へ還られた先祖や有縁の方々と真向かいになり、仰ぎ手を合わせ、浄土と私の心を繋げられたからだ。心が繋がったからこそ、安心して良いことがあった時は喜び笑い、嫌なことがあった時には悲しみ泣く、その時間と場所をお仏壇に賜れたからこそ「拝む、偲び、想う」心を育んできた歴史がある。

 今一度、お仏壇の前に座って笑い泣いてみませんか?もっと長生きできる秘訣かもしれませんよ。

                                          称名

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