親の温もり  北山組光照寺 右近隆城

 

  悪性さらにやめがたし

   こころは蛇蝎のごとくなり

   修善も雑毒なるゆゑに

   虚仮の行とぞなづけたる

 

 立春の前の日は節分です。

「福は内、鬼は外」一度は豆まきをされたでしょう。

幸せを福と呼び、不幸を鬼と呼び招いたり追い出したりしています。

しかし、鬼は心の有りようです。いじめたり、傷付けても何とも思わない私の心です。

私たちは鬼を外に見て自分の鬼成る存在にはなかなか気付かないものです。

 有る所へお参りに行った時の事です。

おばあちゃんと若いお嫁さんと小さなお子さんがお参りしてました。何やら後ろの方で事件です。

小さなお子さんがお母さんに「行くって言ったやん。行くって言ったやん」と言いながらお母さんを小さな手でどんどん叩いてます。

お母さんは「ごめんごめん」と言ってますが、子どもは自分の思い通りにならないので顔を真っ赤にしながらお母さんを叩き続けています。

お母さんは「ごめんごめん」と言いながら我が子をがっしりと抱きしめました。抱きしめられた子どもの目からは大粒の涙が流れています。

でも、悔しい悲しい涙では無かったのです。

大好きなお母さんに抱きしめられ温かさが伝わったのです。

 私の中には鬼と阿弥陀様のお慈悲が同居しているのです。

顔を青くしたり赤くしたりしながら日暮らしをする鬼の私を阿弥陀様はギュっと抱きしめ包み込んでいて下さいます。

 節分を縁として鬼なる私を働き場所と誓って下さったお慈悲の温もりを味わいたいものです。

 

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